コメディ・ライト小説(新)
- 第一話 急ぎの予定だから ( No.1 )
- 日時: 2020/10/05 18:05
- 名前: あお (ID: ikU4u6US)
俺こと、空野 ハルはモテる。めちゃくちゃモテる。それはもう死ぬ程モテる。
昔からだった、この『特性』は。顔も普通、勉強も普通、運動も普通。俺はどこにでもいる普通の高校生の筈なのに何故かモテた。
目が合った女性は顔を赤らめ、声をかければ一目惚れ。俺はこの『特性』のおかげで後輩、先輩、ツンデレにヤンデレ、薄幸の美少女からセレブのお嬢様までありとあらゆる女性を魅了していた。もちろん、告白されたことなど星の数程ある。全てはこの『特性』のおかげ! 呪いのようなこの『特性』さえあれば、そこの君にも、モテ期到来!
羨ましいと思っただろ? 自分もなってみたいとか思っただろ? だが、先達者として忠告しておく。
絶対にやめとけ。ホントに後悔するから。誇張とか一切無しで。
この『特性』をあれば、モテ男になる……と言えば聞こえは良いが、待っているのは『修羅場製造機』としての未来だけだ。
この呪われた『特性』は数多の女性を引き付ける。だが考えても見てくれ、当然その女性達の目標はただ一人なのだから、修羅場取り合いが始まるのは避けられない。
無論、三角関係などと生温いものではなく、ひどいときは数十人単位で始まる上に時限爆弾まで参加する始末。俺を殺しに来てるのかな?
それなら、彼女を作れば少しは収まるのだは無いかと思うだろう。だが、そうは問屋が卸さない。俺一人に対して作れる彼女は一人だけ。(ハーレム願望とかは無いので)すなわち選ばれなかった他の女性達によって修羅場が作られることとなる。さらに彼女を作っても諦めず俺にアプローチするであろう女性ひとには結構心当たりあるので、彼女からは浮気と疑われること間違い無し。さあ、いざ修羅場へレッツゴー!
結論:どのルートも修羅場へ向かっているんだね☆
最後のダメ押しに男子からはもの凄く嫌われており(理由は明白)、男友達など一人もいないぼっち生活を送ることを強要される。ホントに俺が何をしたって言うの?
……話が長くなったが、要するにこの『特性』の所為で大変な目にあっているって話だ。
だがまぁ人間慣れれば何とかなるもんで、『特性』に苦労しながらも死なない程度には生活できていた。
というわけでこれはそんな俺の日常を描いた物語。これを読めば、お前も「モテたいわー」などと言えなくなるはずだ。ホント、もう無理……。修羅場とかマジで勘弁です……。