コメディ・ライト小説(新)

Re: 転生令嬢は平穏に過ごしたい ( No.5 )
日時: 2021/04/19 15:46
名前: 鹿蜜柑 (ID: XlZuYEFz)

「暑い」

そう、暑いのだ。
私の誕生月は5月。それから2ヶ月が経ち、もうすっかり夏だ。
私が暑いと言葉を漏らしたのは悪くないだろう。

ここは日本ではないし、文明は現代ほど進んでいない。
そもそも文化も西洋の文化に似ている様に感じる
ラノベでよくある、中世ヨーロッパよりは随分文明が進んでいるが
現代並みの生活は出来ないのだ。

つまり、クーラーという人類の革命とも言える物もない。
それどころか扇風機すら無いのだ。
前の世界の様に異常気象だということでも無い、
なので気温自体は前の世界よりは低いのだが、暑いものは暑いのだ。

だからと言って、これまたラノベでよくある無いのなら自分で作ればいいじゃないか
が出来るほど都合よく知識があるわけでも無い。
物理なんて1番嫌いだったわ。物理だけは本当に無理。

まあ、言いたい事は1つ『暑い』
これに尽きる。
夏は嫌いだ。

「お嬢様ー?大丈夫ですかー?お水、ありますよ?」

グデっとしてバテている私を見かねて、
水をベルが持ってきてくれた様だ。

「ありがとうベル」
「いいえ。どうぞ」

入れてもらった水を見てみると氷が入っていた
おかしい、前の世界では昔は氷が超貴重品で
宮中でしか食べられなかったとされている筈だ
文明が現代程進んでいないこの世界では
同じだと思っていたのだが違うのか?
私は首を傾げた。

「ベル、これ氷?」
「はい、そうです」
「氷、手に入れる事って出来るんだ」
「手に入れるというか、作りますね」

文明は私が思っているより進んでいた様だ

「製氷機ってあるんだ」
「製氷機…ですか…。」

ベルは俯き深く考えてるようだ。

「え、製氷機って無いの?」
「お嬢様の仰る製氷機という物は私の知る限り、この国には無いです」
「じゃあ、どうやって氷を作っているの?」
「魔石を利用するんです」
「魔石っ!?」
「わっ、大丈夫ですか?」
「い、いや、何でも無いよ」

この世界はそんなファンタジーだったのか?

まだまだこの世界について何も知らない。
この世界について学ばなければならないなと思った
今日という日だった。