コメディ・ライト小説(新)

Re: __今、染まってしまえば、本当に成れそうで【改訂版】 ( No.7 )
日時: 2020/12/01 17:02
名前: 真朱 (ID: YAHQda9A)


#6 「1時間半前」


7時00…。
入学式まで残り1時間半を切った。

「_____っ。____優。」

何か聞こえる。
何か________

「紅優。」

「…えっ。」

「スマホ。鳴ってる。」

自分のスマホを見ると、何か着信していた。



______…私、こんな時間にぼーっとしてたのか…。

スマホの画面を覗くと、『紅優、そっちの家行くね〜。8時頃に呼び鈴押す。』と言う文字。

どうやら15分前に来たものらしく、発信元は陽和だった。

今は7時50分。
…と言う事は、約束の時間まであと10分程度である。

_______…急がなきゃ。

朝食を一気に食べ終えると、皿をキッチンの方にキレイに置いておき、勢いよく歯を磨いた。

そしてその後、私はかばんも持ち、準備万端。
…と思いきや、紅虹は口を開いた。

「…紅優。少し話があるんだけど。」

少し戸惑う。
そりゃ、約束の時間までもうすぐなのだから。出来るだけ早く済ませて欲しいのだが…。

こちら方向を向いてきた紅新は米を頬張っていて、少し子供っぽい。セーラー服のネクタイは少し緩いし、スカートは「邪魔くさいから」という理由で少し翻されていた。

何か真剣な物を語るのか、彼女は米粒を口に付けながら姿勢を改めた。

あんな能天気な彼女がいきなり、どうしたのだろう。いつものように、奇想天外な行動は飲む事が出来るがここまで改まった表情は___見た事が無い。もしかして、悩みでもあるのだろうか_____

「紅優。もし高校で、良い男子見つけたら紹介してよねっ。あ、私もう出るから。」

「…は?」

そう言うと、彼女は皿を片付けぴょいっと行ってしまった。

やはり能天気なのは変わらない…そう思う途中で、呼び鈴が聞こえてきた。