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コメディ・ライト小説(新)
- Re: __今、染まってしまえば、本当に成れそうで【改訂版】 ( No.13 )
- 日時: 2020/12/05 17:33
- 名前: 真朱 (ID: YAHQda9A)
#12「連立方程式が全然分かんなくってさ」
休み時間。
高校生活初めての授業が終わると、皆背を伸ばして口を開き始めた。
「紅優、ちょっと皆に話しかけてみない?」
彼女はおどけて話しかけてきた。
…本当ならこの声にノる_____はずなのだが、今はそんな暇はない。
_____…まったく。陽和はポジティブで羨ましいよ…。
「紅優?」
「…あ。ゴメン、今ちょっと無理。」
軽く流した。
空に飛んでいくほど軽く。
しかししょうがない。私だって赤点は取りたくないもの。それに、初めのテストで先生達の先入観は変わってくる。そしておまけに、それは3年後の未来…大学入学にも絡んでくるものだ。これは学生にとって____受験生にとっても大事な事である。すると、私の机に重みがかかってるのが分かった。
「そんなぁ、ちょっとノリ悪くない?」
彼女は子供のように、駄々をこねようとしており少し顔の表情が砕けているようにも見える。彼女はいつまで経っても、精神年齢は“小学生”のままである。
「陽和。自分で自分の首締めてもいいの。」
私は少し呆れ気味に言った。彼女はいつもこうである。テストの前日まで遊び呆け、徹夜して赤点ギリギリを取る。それの繰り返しだが、何故入試にはやる気を出したのであろう_____。
「え?」
まだ彼女に意味が伝わっていないようだ。
さっきの手紙は、何の為にあったのか…。
「新入生テスト。赤点取りたくないでしょ。勉強と新しい友達、どっちを優先したほうがいいと思う?」
「…勉強です。」
少し悩みながらも、彼女は勉強の方を選んだ。
「あ、そうだ。紅優『連立方程式』教えてよ!私さぁ、その単元で赤点取ったことあるんだよね。」
机にさらに重みが加わる。
「…はいはい。」
話しかけてくる彼女の顔は、何にも懲りないようであった。
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