コメディ・ライト小説(新)

Re: __今、染まってしまえば、本当に成れそうで【改訂版】 ( No.14 )
日時: 2020/12/07 19:17
名前: 真朱 (ID: YAHQda9A)

#13 「不在着信の山」


『_____…未読。_____』

彼女から既読がつかない。
休み時間、そして女子更衣室の中。先生にバレないようひっそりとスマホをいじくっていた。

本来、この高校は昼休みしかスマホを使う事が許されていなく_____これでも結構校則は緩いほうなのだが____更衣室の中など、人目を盗んで使う生徒は結構居る。ほら、あそこにもスマホをいじる生徒達が。…私もその生徒の1人だ。

「…本当に自分勝手。」

スマホの履歴を見ると、紅新に送ったメッセージが50件ほど見えた。

「そもそも紅虹が提案してきたのに…。」

私は少し憎たらしいものを見るように、スマホの画面を見つめた。

…提案と言うのは、昨日の出来事である。


_____『ねぇ、紅優。あたし達ひっそりLINEしてみない?』

『LINE?…先生に見つかったらヤバいんじゃない?』

私は少し心配そうに彼女を見つめると、彼女は自信満々に答えを返してきた。

『大丈夫、“更衣室”なら全然バレないんだってさ。昔、紅姉ちゃんから聞いたんだよ。』

『義姉さんから?やっぱり義姉さんと似て、変な冒険心はあるんだね…。』

私はほんのり溜息を付いた。
すると彼女は、「どーいう意味よー!」と少し疑り深い目でこちらを見てきた。さすが姉妹。いくつ歳を重ねても、似てるものは似てるのである。

『まぁ、そうゆーことで。明日からひっそりやってみよ!』

紅虹が笑顔で迫ってきた。
…さすがにここまで迫られると、「嫌」と言う訳にもいかない。そういうものである。

『まぁ…いっか。じゃあ明日、私から連絡するね。』




そしてその結果が、今である。

「やっぱり、義姉さんに似過ぎ…。」

いつの間にか、私は溜息を付いていた。