コメディ・ライト小説(新)

Re: 異世界でアイドルになりました!? ( No.10 )
日時: 2021/05/08 14:51
名前: ミント (ID: CPoyQL3x)

 舞台ステージに立った瞬間、俺は大きな歓声に包まれた。

 何をすればいいのかわからなかった俺は、他のメンバーの様子をうかがう。
 空ちゃんは舞台ステージ上を駆け回り、観客席に向けて大きく両手を振っていた。

 つまづきそうになるため、見ているこっちがひやひやする。

 龍雅りょうがはカメラを見つけ、カメラに向かってピースをした。

 見ると画面いっぱいに映った龍雅りょうがの姿があった。

 「きゃあ~!!」という声に満足したのか龍雅りょうがは、俺のことを鼻で笑った。

 俺はというと、ただぼーっと立っているだけである。

 俺の隣にいた真里まさとは手を振っていたが、ファンにかたくなに目を合わせようとしない。

 きっと彼のファンはMっ気がある子たちなんだろうな。

 俺だったら、絶対そんな態度を取るアイドルは嫌だ。

 突然誰かに押されたと思って見れば、あの陽介だった。

 陽介は、俺に親指を下に向けてきた。

 そう、ブーイングというやつだ。

 観客席に対し背を向けていたため、陽介のブーイングサインは見えていないんだろうな。

 普段、彼はどのようなキャラなのだろうか。

 平気でメンバーに悪口を言ったり、中指を立てたりしているのだろうか。

「危ないって!」

 声のする方へ目を向けると、そこにはかいと廉の姿があった。

 どうやら廉が、舞台ステージから落ちそうになっていたらしい。

 そして、それをかいが間一髪で受け止めたということだ。

 羽交い締めされた状態でズリズリと引きずられる廉を見て、俺は魚が打ち上げられた光景が浮かんだ。