コメディ・ライト小説(新)
- Re: 異世界でアイドルになりました!? ( No.12 )
- 日時: 2021/05/14 23:54
- 名前: ミント (ID: eVWzcu6j)
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しかし、相変わらずだな。
楽屋でミニカーを走らせて遊ぶ廉は、舞台の上でも変わらない。
海に落ちそうなところを、助けてもらったのだ。
舞台に立ったからとはいえ、廉のことだ。
落ち着くわけがない。
もし、舞台から落ちたとしたら大怪我だろうか。
会場を見わたす限り、あまり人気では無さそうだ。
そう、とても規模が小さいのだ。
舞台からファンまでの距離が、あまりにも近すぎる。
落ちたとしても、ファンがいいクッションになるだろうな。
なんて、馬鹿なことを考えている場合ではない。
観客席の方に目をやると『誰だこいつは』という目で見てくるファンの姿があった。
思い込みかもしれないが。
空ちゃんいわく、どうやらサプライズらしい。
ファンには俺のことを内緒していたらしい。
俺のことというよりは、リーダーを発表するということを。
全く、何をしてくれているんだ。
俺の無駄にラメでキラッキラな赤色のマイクは、一体何の為にあるんだか。
今握りしめているマイクは、俺の出番はまだかまだかと、待っているように思えた。
今俺がここで話したりでもしたら、どんな目で見られるのだろう。
できれば、メンバーの誰かから言ってほしいものなのだが。
どうすればいいのかわからず、しばらく地面を見つめてままでいた。
そんな俺に気づいたのか、陽介はラメでキラッキラのオレンジ色のマイクをトントンと叩く。
スピーカーからボンボンという音が会場に響いた。
その瞬間、ざわざわとしていた会場は、静かになった。
ファンやメンバーの視線が陽介に注がれる。
俺だったら、こんなにも大人数に見つめられたら、ションベン漏らしそう。
「ファンの皆様にお知らせがー」
会場に陽介の声、マイクがひろった音声が響いた。
[次回] >>13