コメディ・ライト小説(新)
- Re: 異世界でアイドルになりました!? ( No.6 )
- 日時: 2021/05/08 20:07
- 名前: ミント (ID: eVWzcu6j)
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廉「え〜?だって俺、名前教えてもらってないも〜ん。」
小さい子が持っていそうなミニカーで遊びながら、廉は言った。
(確かに、言っていなかった。)
俺は少し考えてから、みんなに伝えることにした。
俺「俺の名前は、朝倉夕日。気軽に、夕日とでも呼んでくれ。」
こんなので良かったのだろうかと、脳内会議。
まわりからの反応があまりにもなかったからだ。
少し話した程度の赤の他人。
誰も何も言ってくれない状況に困惑し、俺はしばらく黙っていた。
廉「へ〜赤髪君は、ゆーひって言うんだね〜。」
話したと思えば、不思議君の廉である。
相変わらず廉は、ミニカー遊びに夢中である。
楽屋のいたるところにミニカー走らせ、「ブーン」とか「プッ、プゥー」
と遊んでいる。
…そんな彼の様子を見た俺は勝手なイメージで申し訳ないが、忘れられていそうだなと思った。
真里「"ゆうひ"とは、どのような漢字を 書くのでしょうか?」
真里は本を読むのをやめて、突然リュックの中をあさりだしたのだ。
そして、リュックに入っていたであろうペンと、紙を机に置いた。
俺は置かれた紙にペンで、"夕日"と書いた。
書き終えた俺は真里の方を見た。
俺が書いた紙を見た真里は、「太陽の陽ではないのですね…」と、ブツブツ言いながら自分の席へと戻っていった。
陽介「おー良かった、良かった。」
(なんだ、急に。)
なぜか嬉しそうにしている陽介に俺は、「なんの話だ。」と聞いた。
陽介は嬉しそうに「お前と漢字が違うからだよ。」と、すぐに返事が返ってきた。
("陽"介か、なるほどね。)
そんなに嫌なのかよと思いながら、嬉しがっている陽介を見ていた。
すると、美少女…じゃなくて空ちゃんは、「素敵な名前だね。」と微笑み、俺の名前を褒めてくれた。
その天使のような微笑みは、ショックを受けていた俺の心を癒してくれた。
その話を聞いていた龍雅はスマホをいじりながら「別に、特別な名前じゃないでしょ。そんな名前の奴、世の中に腐るほどいるよ。」と言った。
それを聞いた空ちゃんは、困ったような顔をした。
龍雅は「ほらね」というように、俺にスマホの画面を見せてつけてきた。
確かに夕日という名前の人物が、画面いっぱいに並んでいる。
一人もいないとはさすがに思っていなかったが、こんなにいるのかと驚いた自分がいた。
俺「お前と同じ名前の人だって、
世の中に腐るほどいるだろ!」
つい腹が立った俺は、龍雅の言った言葉を引用し、反発した。
龍雅「え、何?まさか、怒っちゃったの?」
プププっと笑う龍雅に腹が立った俺は、高い位置で結ばれていた髪の束をおもいっきり引っ張り上げた。
龍雅「痛たたたっ!暴力反対っ!」
涙目になって暴れているが、可哀想だなんて思わなかった。
これは俺からの罰だと思い、俺はさらに引っ張りあげる。
まったく、本当に可愛くない奴だ。
コイツとは、仲良くなれる気がしない。
[次回] >>7