コメディ・ライト小説(新)

Re: 異世界でアイドルになりました!? ( No.8 )
日時: 2021/05/08 21:09
名前: ミント (ID: eVWzcu6j)

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 本番までの時間が着々と近づいてきてきた。

 そんな中、俺はとんでもないことに気づいてしまった。

 それは、このグループが歌う曲を、まったく知らないということだ。

 俺は(遅刻だが)学校に行く途中、美少女空ちゃんに連れられ、異世界ここにやって来た。

 異世界じゃないにしても、急にアイドルになるなんて、あり得ないことだ。

 踊りも歌も何も当然わからないのだ。

 この世に歌わないアイドルなんて、いるわけがない。

 もうそれは、アイドルとは呼べない。
 そして今日、その一人に俺はなりかけている。

 心配になった俺は「あ、あのさ。俺、歌、歌えないんだけど。」

 すぐ隣で身なりを整えていた空ちゃんに、俺は助けを求めることにした。

 すると、空ちゃんは、「大丈夫だよ。」と、俺の背中を軽く叩いた。

 それから空ちゃんは、「練習すれば、歌も上手くなるよ。」と言い始めた。

 どうやら空ちゃんは、なにか勘違いしてるらしい。

 俺も言葉が足りなかったのかもしれない。

 空ちゃんは、俺が音痴だということをきにしているのだと思ったらしい。

 その話を聞いていたであろう龍雅りょうがが、「お前、音痴なの?」と聞いてきた。

 さらに陽介が「アイドルで音痴は、ヤバイと思うぜ?」と小バカにしてきたのだった。

 ここでめんどくさい二人が揃ってしまった。

 俺「いや俺は、音痴じゃないから!…多分」

 空「ちょっと二人とも!バカにしちゃダメだよ!」

 空ちゃんの勘違いからこうなったのだがと、突っ込みたくなる。

 それがあってか、今回ばかりは喜べない。

 そうこうしているうちに、本番がきてしまった。

 結局、何も解決することもなかった。

 俺はこのまま本番を迎えなくては、いけないのか。

 俺は一体、どうすればいいのだろうか。

 そもそも本番当日に、新しいリーダーを迎えるなんて、どうかしている。

 誰一人俺に何も教えてくれない。

 曲を知らないのだから、歌えるわけがない。

 歌詞さえ分かれば、歌えるかもしれない。

 そうだ、歌詞さえあれば歌える。

 少しぐらい間違えたとしても、なんとかなるだろう。

 俺は「ねぇ、歌詞が書いてある紙、ないかな?」と近くにいた鏡の自分に惚れている(勝手なイメージ)かいに話しかけた。

 かいは「そんなものは、ないぞ。」と、あっさり言われてしまった。

 「そうだよな」と、あからさまにガッカリする俺を見たかいは、耳元
でこう囁いた。

 「大丈夫だ。歌詞なんて勝手に頭に入ってくる。」と、耳元で囁いてきた。

 (何、言ってんだか。)

その時の俺はその意味がわからなかった。

 だが、俺はこの言葉の本当の意味を知ることになるのだ。

[次回] >>10