コメディ・ライト小説(新)
- Re: 異世界召喚したくない ( No.8 )
- 日時: 2021/01/01 16:22
- 名前: R626 (ID: sMZBR2Q8)
「俺が相手だぜクソトカゲ!」
そう佐藤が叫ぶと、トカゲは俺を投げて
佐藤の方に向かった。
二人は教室を出て廊下を走り去った。
教室は一気に静かになり、壊れた壁から
シャーナが飛んできた。
だがシャーナの羽根はボロボロでもう飛べそうにない。
「ケンジさん、あいつはリザードマンといいます、どうやら魔王が異世界から送り込んできたみたいです、すごい筋力と長い爪で攻撃してきます」
ー佐藤がこのままだと死んでしまう、でも...
俺が言ったところで勝ち目なんてない。
掴まれた首がまだ痛む、全身が痛い、
こんな状態の俺が挑んだって....
「そうだシャーナ!あんなやつに挑むんだ、
俺だって魔法ぐらい使えるようになれるんだろ!」
「無理ですよ、魔法を使うには前もって特訓しないといけないんです、最低でも三日ほど
しないと....」
「えっ.........」
ー魔法はなし、相手はトカゲの化け物、
こんなの勝ち目なんてないじゃないか。
ーだからって見殺しにしていいのか?
俺は普通の日常があればいいんだ、その中には
佐藤も含まれている。
ケンジさんはスッと立ち上がり、歩き出した。
「まさか挑むんですか、無理ですよ、
才能があっても、ケンジさんは初めて戦うんですよ!負けるに決まっ....
「俺は.....俺は平和な毎日があればそれでいい!佐藤連れてきて!後は警察に任せる!」
ーケンジさんの心は震えてる、ホントは早く逃げたいのに、それを抑えてさっきの人のために...やっぱりこの人は.......」
俺は折れた机の椅子の足を持って走り出した。
ーーーーーーーー
ー今、俺佐藤はトカゲに追いかけられている。
足には自信があったが、そろそろ疲れてきた、
そのまま俺は体育館に出てしまった。
「追い詰めたぞ、ガキィィ!」
佐藤はリザードマンにタックルされ吹っ飛ぶ。
「死ねぇー!!」
「モフッ」
リザードマンの顔がチョークの粉で真っ白になる。
「テメェ!」
俺が見るとケンジは手に黒板消しと鉄の棒みたいのを持っていた。
「こっちこい、リザードマン!」
「ボフゥ」
「バフウ」
投げるたびにリザードマンは目を押さえ痛がっている。
俺はとっさにポケットからマッチを出した。
「ん、なんだその棒?」
「おりゃぁ!」
マッチの火が粉に触れた瞬間、
バフッ!!という音が起き、
「グアァ!!」
という声と同時にリザードマンは倒れた。
あいつの弱点はこの世界の知識がないこと。
それなら.....
「シャーナいまだ!」 「はい!」
シャーナはリザードマンに液体を足にぶっかけた。
「ふっ、水なんかでこの俺を....」
そう言いながらリザードマンが走ると、
足を滑らせ頭を打つ。
馬鹿め、それはワックスだよ!
「ふざけやがけやがってぇ!!」
「ガリリィィ!」
「いでぇぇ!!」
「う、腕が!!!」
ケンジはあまりの痛さに倒れてしまう。
「ケンジさん!」 「ケンジ!」
「はっはっあ!!ザマァみろ!」
「テメェなんかがこの俺様に敵うわけねえだろぅが!!」
ケンジは息が荒くなる、
「どうだ、痛いだろ!この世界の奴らはのんきに暮らしているんだから闘いなんて無経験だよなぁ!俺たちの方はそんな甘くねえ、特にてめえみたいな奴はすぐ死ぬぜぇ!俺が
この世界の奴らに争いがなんたるかってもんを教えてやらんとなぁ!!」
「どすん」
「どすん」
と、リザードマンは近づいてくる。
「ふざけんなよ....」
「はぁ?」
「俺たちはなあ、平和だとしても必死に
生きてんだよ!」
「辛くても苦しくても!精一杯頑張ってん
だよ!」
「そんな奴らのことをテメェの腐り切った考えで馬鹿にすんな!!!!」
「うるせえ!! 」
「死ねぇぇ!!」
リザードマンの爪が俺に向かって飛んでくる。
「びしゃあ!」
あっ、なんだこれ水か?しょっぺぇ!
ガァン!
また何かを当てられた。
カンデンチ?
「ギィィヤァァ!!!」
その瞬間リザードマンは食塩水により感電してしまい仰向けになった。
リザードマンは目の前で誰が立っていることに
気づいた。
「やっ、やめ...!!」
「人の平和をぉ、乱すんじゃねえぇ!!!」
ケンジは鉄の棒でリザードマンをぶっ叩いた。
そのままリザードマンは灰になり消えていった。
「ケンジ!」
「ケンジさん!」
俺は腕に包帯を巻き、シャーナの魔法で治療してもらった。
校庭には警察が、校門にはテレビ局がいる。
「なぁ、シャーナ」
「何ですか?」
「異世界にはさぁ、あんな奴がたくさんいるんだろ?」
「そうですけど....もしかして!」
「俺、行くよ異世界」
「な、何でですか!?最初はあんなに嫌がっていたのに?」
「だって異世界の奴らも大切な日常を
壊されているんだぞ」
「だったら誰かが行かなきゃ
可哀想だろ?」
「ケンジさん....」
「それじゃあ早速行きましょう!」
「おう!」
またシャーナは手から光る丸い奴を出した。
「さあこのボールに触ってください」
「わかった!」
俺はこれから危険な旅に出る、けど人々の平和な毎日が戻るんならやってやる!」
俺はゆっくりとボールを触った、
そして"何も起きなかった"
二人は一斉に「ん?」と声を出したその時、
ーいや〜ごめんね〜
と声がした。
「神様!?」とシャーナが驚く。
ーごめんねシャーナ、他の天使が才能者をたくさん送ってもう定員オーバーになっちゃったんだよ〜
はぁっ!?
「じゃあ俺は!?」
ー来なくていいよ
ーふざけんなぁ〜〜!!!
ーーーーーーーー
読んでくれてありがとうございました
次回から第二章です
よろしく!