コメディ・ライト小説(新)
- Re: 〜極上の薬草士〜リリシアが最強に至るまで ( No.3 )
- 日時: 2021/01/02 09:18
- 名前: レン (ID: OYJCn7rx)
第二話 近衛騎士
俺の名前はライトム。近衛騎士だ。
最近、王宮で話題になっている雑貨屋兼カフェがあると聞いた。
驚くほどの効果があるジェールや、
希少価値のある魔法書がたくさんあるという。
さらにサービスもとても充実しているらしい。
俺は最初のうちは信じていなかった。
そんな店あるわけがない、と。
だが、同僚のレウトが
『俺もそんな店、あるわけがないって思ってたんだ。
試しに行ってみようと思った。
行ってみて大したことがなかったら馬鹿にできるだろう?
だけどな、噂は本当だった。すごかったぜ。
お前も言ってみたらどうだ?」
同僚であり、親友であるレウトがここまで言うとは。
噂は本当なのかも知れない。
俺は馬を走らせ郊外までやってきた。
とても寒い日だった。
体を震わせ中に入ると、店員がにこやかに出迎えてくれた。
店の中はとても暖かかった。
店員がブランケットをかけてくれた。
そして、好きな飲み物はないかと聞いてきた。
そこで、俺はイジワルをしてやろうと思った。
『ラベンダー風味コーヒーブラック砂糖微量で。』
この国でラベンダー風味コーヒーはとても価値が高い。
一部の特権階級しか飲めないものだ。
しかし、店員はラベンダー風味コーヒーブラック砂糖微量を持ってきた。
飲んでみると、とんでもなく美味しい味がした。
「隠し味があるのですか。」
「隠し味といえば隠し味かも知れません。
ラベンダーにあう味醂ジェールをちょっとかけているので。」
味醂ジェール!?なんだそれは。
聞いたことがない。
「味醂ジェールとは…?」
「味醂みたいに調味料として活躍して普通のジェールと同じくらい効果のある
食用ジェールです。
ちなみにラベンダー風味コーヒーにいれたジェールの効果は
“刺激たっぷりの幸せな一日”です。
それがどうかしましたか?」
「い、いや…」
この店は異次元だ。
全てが…
ぶっ飛んでいる。
ぶっ飛んだジェールは公国に大きく貢献するだろう。
大公様に報告せねば。
報告材料としてジェールを買っておこう。
「おすすめのジェールなどありますか。」
「私が気に入ってるのは“お肌ぷにぷにジェール[美容用]ですよ!
このジェールがあれば、2度とお肌はカサカサにならない!
このジェールを愛用している、234歳のエルフさんは、
おばあちゃんなのにお肌がぷにぷにでたるみなしです!
一回使えば一生持つのでお買い得!
あっ。お客様は男性でしたか。えへへ。」
「そのジェールを買おう。」
そのジェールを渡したい人がいる。
俺の婚約者、レーナだ。
他にも俺は、異次元の能力を発揮するジェールを四つ買った。
「いくらですか?」
「この天秤にジェールをお乗せください!」
「は?」
「今から金額を秤りたいと思います。」
天秤は大きく揺れた。
ジェールは重かった。俺が持ったときはそんなに重く感じなかったのに。
「お題は3レンゴルになります。」
「それだけ!」
「ええ。秤がそう教えてくれたので。」
「その秤にはどんな仕掛けがあるのですか?」
彼女は笑って答えなかった。
「ありがとうございましたー」
チリンチリンっとベルが鳴る。