コメディ・ライト小説(新)
- Re: もう一度。 ( No.5 )
- 日時: 2021/01/16 18:00
- 名前: ∴夏みかんの妖精 (ID: f.iAZwEP)
2話『明晰夢…?』
___これは夢だ。
まずそう思った。時が戻るなんて、SFじゃないんだしあり得ない。ましてや、願った日__この夢の中の『今日』…になるのかな__に戻るなんてあからさまに都合がよすぎる。
早く起きないといけないなあと呑気に考えていると、ふと頭にある単語がよぎった。
____明晰夢。
いつだか、人間の見る夢について調べていたときにこんな言葉を見つけた。夢という自覚を持ちつつ、自分の意思で何でもできる夢、だったと思う。
これが、もし明晰夢だったとしたら、なんでもできるのでは?と考え、私は食べたいものを想像した。
だけど、出てこない。
出てくる気配もしない。
さすがにおかしいと思い、急いでリビングのある一階にかけ降りる。
___________
『1階 リビング』
「お、お母さんおはよう」
「あら、おはよう香澄。どうしてそんなに急いでいるの?」
朝から急いだ様子の私を見て、お母さんは少しびっくりしている。そんな様子もお構い無しに私はお母さんに詰め寄る。
「ねえ、私昨日制服のままで寝てなかった?お母さんが着替えさせてくれたの?それに、なんで切ったはずの髪が…長いの?」
聞きたいことがありすぎて、つい質問責めになってしまった。するとお母さんは急に笑いだして、
「あははは、変な子ね。制服はちゃんと掛けておいてあったし、寝るときもパジャマ姿だったじゃない。それに、私の髪は元々この長さよ。」
と答えた。……最後の質問の意味は勘違いされたけど、嘘をついてる感じはない。むしろ、このままだと私が嘘ついてるみたいになってるし…。
「そっかあ…私、夢見ちゃってたみたい。へ、変な夢だよね。あは、あはははは…。」
『変な夢』っていう言い訳で乗り越えて、ちょうど出てきた朝食の前の席に座る。「いただきます」と挨拶をしてから朝食を食べ始める。
これは…夢じゃないのかもしれない。
だとすると___1時間後…いや、数十分後には…
南くんと会う…!?
その事実に気づいたとたん緊張して、むせてしまった。
はぁ……こんなんで私、大丈夫なのだろうか…?