コメディ・ライト小説(新)
- Re: もう一度。 ( No.6 )
- 日時: 2021/02/01 19:25
- 名前: ∴夏みかんの妖精 (ID: f.iAZwEP)
3話「出会いは、未来は、変えられる」
朝ごはんを食べ終えて、部屋に戻った私は、今分かっていることをノートに書き出すことにした。
まず、今私は、中学2年生ということ。
今日は、南くんが転校してくる日ということ。
学校の案内を、先生が華蓮に任せるということ。
そして____華蓮が、南くんと付き合うということ。
今は、これくらいしか思い出せない。私が、また『中学2年生』として生きていけば思い出していくであろう。___正直、ここが現実であるとは思わない。だけど、夢であるという証拠なんて何ひとつ無い。それなら、なんのチャンスか分からないけど、この世界で生きて、未熟だった私が出来なかったことをやってやろうじゃないか、そう思った。
未来は、自分自身で変えられる__気がする。今の私なら。
「絶対、変えてみせるんだからッ!」
今までの私に別れを告げ、喝を入れるように叫んだ。すると、それに負けないくらいの大声が下の方から聞こえてきた。
「香澄ーー?起きてるのーー?遅刻するよー?」
間違いなく華蓮の声だ。耳にタコができるくらい聞いた、親友の声。時計を見てみると、家を出ないと遅刻寸前。急いで準備をして親友の元へ向かった。
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「香澄が遅刻しそうになるなんて、珍しい。何かあったの?」
転校生のこと考えてて寝坊したとか〜?と華蓮は続けるが、私にはそんなことは重要じゃない。
いつもは私が早く華蓮の家に行って、彼女を起こす役目をしていた。ぴょこんと寝癖の立った彼女は、しっかりしている学級委員とは程遠く、可愛らしく思ってた。
そんな、いつも通りのような、遠い昔のようなことを思い出していた私は、いつもの彼女に現実に帰される。
「本当に今日はどうしちゃったの?朝から大声出すし、ぼーっとしてたし…。本当に寝不足?」
心配する彼女を安心させる為に、大丈夫だよ。と爽やかな声を出した。数分前まで現実味離れたことを考えてたとは思われないだろう。
「なぁんだ。それよりもさ、遂に今日だよ転校生!!男の子かな?女の子かな?どっちにしても楽しみぃ〜〜!」
過ぎたことに詮索してこない彼女に安心する。関心は転校生に向いてるし、本当に楽しそうだ。
「そうだね。私も楽しみ!」
半分本気、半分冗談のような気持ちで答えた。前髪がじっとり汗で濡れる。5月上旬の暖かすぎる__暑いと言った方が正しいかもしれない__気温のせいにして、学校に近づく度に大きくなっていく緊張を隠した。
ほら____出会いはもうすぐ。