コメディ・ライト小説(新)

Re: 推しはむやみに話さない! アニメイト編 ( No.14 )
日時: 2021/05/29 13:21
名前: 狼煙のロコ ◆g/lALrs7GQ (ID: hDVRZYXV)

 『#出席確認は欠かせない!』

「んじゃ、名前言うから返事してなー」

 ひいらぎ先輩が、席に着いたみんなの前で出席確認を始める。
 普通どこの推し派でも素早く終わらせるために、組ごとにいるか、いないかだけを確認していく。でもここ未公表派は人数が少ないからか、一人ずつ名前を呼ばれる。
 このゆったりした感じ、大好きなんだよね。

 ひいらぎ先輩は早速、名前を呼ぶ。

「まずは一年。一組、浦鳥うらとり 太一たいち
「いるっしょーー!! へっへへ、俺ってばかっこいい」

「二組、鬼灯きあかし 優太ゆうた
「はーい。僕。いるのー。ねむーい」

「三組、有明ありあけ 生面うずら
「はい! います! さっきは渋滞作って迷惑かけました。すいません」

「四組、大柴おおしば 野花のか
「はーい! わたくし大柴おおしば 野花のかは今日も元気でーす!」

 ふふふ~。この不思議空間に埋もれないため、積極的にアピールアピール。
 カッコつけたがりの浦島太郎、じゃなくて浦鳥うらとり 太一たいちくん。
 いつもゆるゆるふわふわしてる、けだるけ鬼灯きあかし 優太ゆうたくん。
 二次元から来たような見た目をしてる超絶イケメン、有明ありあけ 生面うずらくん。渋滞とはおそらく女子の。まあ、日常茶飯事だ。

「五組、耳成みみなり 久留くる
「いるいる~超いる~。イエーイ! 今日も楽しみー」

「六組、前途まえみち 未来みく
「はいいます」

「七組、御星おのほし 神梨かんな
「はい! 私、御星おのほし 神梨かんな。十五歳! どこにでもいる普通のJK。これから始まる推し会議。一体全体どうなっちゃうの~。星!」

「八組、いちじく はじめ
「ふふっ、いるよ。今日も絶好の推し会議日和だ。みんな楽しもうではないか」

 陽キャ、とにかく陽キャで、夕星ゆうずつ高校の『大和やまとギャル三人衆』の一人、耳成みみなり 久留くるちゃん。ちなみにキキもその一人。
 いつも前髪で両目を隠していてミステリアス、そしてなぜかキキが恋人だと自称する前途まえみち 未来みくちゃん。
 目がでかい、瞬きが少ない、潤いがすごいの三拍子が揃った、少女漫画大好きの御星おのほし 神梨かんなちゃん。そっちのほうが少女漫画のキャラでしょ!
 博士っぽいキザ+中性的な可愛い顔という特殊属性を持つ、青縁メガネの似合ういちじく はじめくん。

 やっぱりみんなキャラ濃いなあ……。

「次二年いくぞー。三組、茶田ちゃだ 鈴蓮れいれん
「いるんだよ~。みんな仲良くするんだよ~」

 温かな声でみんなの心を癒してくれる、みんなのお母さん的な存在の茶田ちゃだ 鈴蓮れいれん先輩。周りを見てみるとみんな顔がとろけてしまっていた。優太ゆうたくんはもう寝てしまっている。

「七組、奈良庭ならにわ つづみ
「いるわ! み、みんなが揃うなんて珍しいじゃない。いつも誰かしら帰っちゃってるのに……。べ、別に嬉しいとかそういうんじゃないんだからね!! って聞いてるの! みんな起きろーーー!!」

 はい。ツンデレです。怒ってないときが異常の奈良庭ならにわ つづみ先輩。鈴蓮れいれん先輩のゆったりボイスのあとにつづみ先輩の怒号が飛ぶのは、もはや一種のサウナと化している。

 そして、ラストは……

「そして最後に三年九組、俺、ひいらぎ 真夜しんやだ」

 屈託のない笑みで、いつものようにみんなを照らす太陽のような人、ひいらぎ 真夜しんや先輩だ。相変わらず、見えないハズの光がひいらぎ先輩から放たれる。確か夕星ゆうずつ高校七不思議の一つだったはず。

「以上、一年八人、二年二人、三年一人、計十一人。全員揃ったなーー。すげえ」

 本当にすごい。全員揃うのは二カ月、つまり初の推し会議ぶり。今日はいつもより楽しくなりそう!

 ひいらぎ先輩も嬉しそうにしながら、みんなに言った。



「それでは、推し会議を始める」