コメディ・ライト小説(新)
- Re: 魂の終着点 ( No.6 )
- 日時: 2021/09/13 11:47
- 名前: 雪見餅 ◆Jhc7o2e8z6 (ID: 0LEStScZ)
ー魂の書ー
人を喰う、鬼と呼ばれる存在。
太古の昔から存在する、未だに存続している種族の1つ。
そんな鬼の1人は、学校の七不思議として有名である。
「あはは。美味しそうな人間だぁ、その命頂戴するね。」
人間を鎌で切り裂き、傷口に食らい付き人間を食す。
絵面はかなりやばいが、美味しいのは確実だった。
「君は、何の罪を犯したのかい?」
「罪……?君、人間だよね……?美味しそう、命頂くね!」
何故か鎌は無かったので、普通に襲い掛かった。
すると、彼の身体は透けてしまい、床にぶつかる。
「残念だけど、僕は魂の管理者で死神だし、死人が触れる様な存在じゃないよ。」
「僕が死んだ……?僕は人を喰らって寿命もかなりあったし、怪我や病気も直ぐに治る鬼だぞ……?」
「現実を受け入れないのなら、結構。君の他にも対応すべき者はいるからね。君は傲慢の罪に値する。」
魂の管理者は1つの種族に一方的な味方をしてはならない。
人を喰う事は、必要不可欠だった事だ。仕方ないと言い切れる。
「僕は……何故人を喰って……?」
- Re: 魂の終着点 ( No.7 )
- 日時: 2021/09/15 20:56
- 名前: 雪見餅 ◆Jhc7o2e8z6 (ID: 0LEStScZ)
ー魂の書ー
人喰い鬼の名で有名な七不思議が死んだ。
あいつは怪我や病気も直ぐ治るし寿命も長かった。
つまりは再生能力やらを関係なしに七不思議を殺す奴がいる。
「……早く逃げる準備をしないと……な」
ん……気のせいか。
何か人影が見えた気がしたけど、それよりも早く生き残る準備をしなくては。
「君は強欲の罪に値する。生にしがみついた結果だね。」
「ちっ……これで二人目って訳か……○○○……。」
二人目という事はまた後々同類が来るのか。
罪を問いただす時間も必要無いな。
どうせ全員、罪なんて記憶に無い。
自分が正しい事をしていると固定している連中だし。
- Re: 魂の終着点 ( No.8 )
- 日時: 2021/09/18 22:46
- 名前: 雪見餅 ◆Jhc7o2e8z6 (ID: 0LEStScZ)
ー魂の書ー
人喰い鬼に続き、知識の悪魔が殺られた。
どうせ、俺も死ぬのだろう。
あー、俺は地獄に行くのかな……。
沢山人を驚かしたし、人を怖がらせて他の七不思議に食べさせたりもした。
「お前だったのか……。七不思議を殺す奴は。」
「それを知った所で、君は死ぬんだから関係無いよね。」
死んだと思った瞬間、目の前には人がいた。
彼は天使か、それとも閻魔か。
「君は怠惰の罪に値する。そして君が、3人目か。」
「うん。俺も死ぬ事はわかってたし、それよりもお前は天使?悪魔?」
「僕は魂の管理者。君達魂と対話を成す者だよ。」
ニヤリと笑って、魂の管理者は手を振った。
- Re: 魂の終着点 ( No.9 )
- 日時: 2021/09/20 08:38
- 名前: 雪見餅 ◆Jhc7o2e8z6 (ID: 0LEStScZ)
ここ最近に起こる、七不思議の消失。
それらは全て同一犯だ。
しかも、自分達の長所や短所を正確に分かっていて、かつ自分達を殺せる自信があると。
「どうしたの?4番目」
「7番目か、いや最近の事件について少し考えていてね。」
「別に、4番目は悪い事してる訳じゃ無いですし、大丈夫ですよ。僕が守ります。」
彼は良い人だ。
他人を気遣えて、優しく出来る。
皆の良い所も悪い所もちゃんと指摘してくれて、そのお陰で強くなれた。
これも、7番目の指導のお陰だ。
「うん、それじゃあ。……。」
手を振って後ろを向いて道端に座る。
- Re: 魂の終着点 ( No.10 )
- 日時: 2021/09/21 10:47
- 名前: 雪見餅 ◆Jhc7o2e8z6 (ID: 0LEStScZ)
今度は4番目が行方不明になった。
今までと違い、死んだのかは分からない。
そして僕も、勿論死んだ。
「……ま、死んでも別にって感じかな。」
「生に対する執着が薄い人だね。珍しい。」
「うーんそうかなぁ。どうせ遅いか早いかの違いなんだしそこまで変わらないと思うけど。」
この人は誰だろう。
でも、死んだのに喋れるって事は何かあるんだろうな。
「君は慈悲の罪に値する。ようやく真面目な罪が出て来た……。」
慈悲かぁ。
そんなに、慈悲深い訳じゃないんだけどね。
- Re: 魂の終着点 ( No.11 )
- 日時: 2021/09/30 22:48
- 名前: 雪見餅 (ID: 0LEStScZ)
人喰い鬼、知識の悪魔、悟り人、幻惑の妖怪、死を恐れない怪物
これまで七不思議が大量に殺された。
幻惑の妖怪だけは、行方不明で生死も不明であるが。
七人全員、仲が良かった方だとは思っていたけど、まさかそうだったなんて考え無かった。
「7番目、お前だったんだな。今までの事件は全て。」
「うん、そうだよ。何か問題でもあるかな?僕は今から邪魔な奴等を殺してくだけだから。うーん、6番目は良いや。」
「何だ、俺達はそれだけの仲だったのかよ。」
「ううん、違うよ。大切な人の邪魔をする事になるから殺すんだ。僕だって仲が良いままが良かった。」
7番目が言った大切な人は一体誰なのか。
邪魔をするから、する事になるから殺す。
それだけの理由で、俺達は裏切られた。
「精々唯一生き残った七不思議として頑張ってね。あ、違うか。僕達を含めたら、"3人"か。」