コメディ・ライト小説(新)

Re: 初期武器で世界制覇したら伝説になりました。 ( No.5 )
日時: 2021/07/30 09:59
名前: ねむねむ  ◆ImDwVl1n2. (ID: HAhG.g1E)

第五話 ギルドカード作ってみた!

口に出して願った瞬間、あたりがまばゆい光に包まれた。
まぶしい光じゃない、とても暖かい光だ。そう、まるで家族のような。
そう思うと、帰りたくなってくる。現実の世界に……
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目を開けると、そこは賑やかな建物の中だった。ここがギルドだろう。だが、エマが現れると一瞬にして静寂に包まれる。彼らは出会ったことがなかった。瞬間移動ができる少女に。だから驚きのあまり言葉を失ってしまったのだ。
(ねぇ、ソフィ。とても驚かれているね。こういうの面白い。)
≪そうですね。人の驚愕した顔は正直言って面白いです。鼻高々になります。≫
(そうだね。えっと、どこでゴブリン売ればいいの?受付がたくさんあって分からない……)
≪一番右の受付です。あそこで獲物を売ることができます。何か獲物の皮などが欲しい場合は、獲物
を売る受付の左で注文をして、受け取ります。≫
(把握!じゃ、早速行きますか☆)
≪あ、ちょっと待ってください。≫
(どしたの?)
≪エマ様はギルドカードをまだお持ちでないので、それを作らないとギルドでは何もできません。≫
(じゃあそれ作ろっか。どこの受付?)
≪一番右の受付です。≫
(受付ありすぎて頭がこんがらがりそう。とりあえずカード作ろ。)
ソフィとの心話を終えて、ギルドカードを作りに受付に向かう。そこには、とても綺麗な女性が立っていた。
「あの、ギルドカードを作りたいんですけど……」
おそるおそる言った。
「分かりました。ステータスを確認させていただけますか?」
……確認ってどうやってしてもらうんだろう……
(ソフィ、ステータスってどうやって確認してもらうの?)
≪私がステータスを他の人も見えるようにしますので、エマ様はいつも通りにペンダントに手をかざ
 してください。≫
(うん、わかった!ありがとう。)
私はペンダントに手をかざす。
「見えますか?確認できてます?」
心配になって、一応聞いてみる。
……返事がない。何か悪いことでもあったのかと視線をあげると、受付の女性が驚愕の表情を浮かべていた。まるで、化け物を見ているかのようにステータスを見ている。
「あの……」
もう一度声をかけると、はっと我に返ったように私を見て、言った。
「ギルドカードをお作りしますのでそれまで少々お待ちください。」
「わかりました!」
周りを見ると、食事場があったので、そこでクレープを頼んで待つことにした。クレープを一口食べた感想。
「うんまあああああああああああああああああ!!!!!!!」
思わず大きい声を出してしまう。すると、近くにいた40代くらいの男性が言った。
「もしかして、ここのクレープを食べたのは初めて?」
「はい、そうです!」
そう答えると、その男性は笑った
「はじめてここのクレープを食べた人は、感動して涙を流すか、君みたいに大声で叫ぶかのどっちか
 なんだよ(笑)僕もそれやった」
「そうなんですね!いやぁおいしいです。
 なめらかなクリームにふわふわの生地。それにトッピングされたイチゴはフレッシュでみずみずし
 い!!バナナなんてとろけそう。チョコレートはまろやか、でも冷たくて。それにアイスは少しだ
 け溶けてる感じ。絶品すぎます!!」
正直言って、現実の世界で食べたどのクレープよりもおいしい。
「食レポかな?(笑)ほら見て。あっちにいるクレープ販売員さんの後ろ。シェフがとっても嬉しそ
 うだよ、声が届いたみたいだね。」
そこまで大声で感想を言っているつもりはなかったけども、興奮してつい大声を出していたらしい。でも嬉しいなら何も悪いことではないはず。そうしてひとりごちていると、さっきの受付の女性が呼んできた。
「エマ様ー!エマ様はいらっしゃいますかー?」
「はい!今行きます。」
そう言って、男性に別れを告げて受付の方に走っていく。
「ギルド内では走らないでください。」
注意されてしまった。
「ごめんなさい。」
と謝る。
「ギルドカードができました。あなたのランクはXです。」
「それって低いんですか?高いんですか?」
「ギルド内では最高ランクです。現在はあなたしかいません。普段なら昇級試験などを受けなければ
 なりませんが、あなたの場合はカットされました。」
「え、なんで?」
「さきほどテレポートしてきたことが明らかになったので。ギルド主によると、昇級試験なんて面倒
 くさいし、だそうです。それに何よりあなたの持つ称号で、特例が適用されました。」
「あ、はあ。」
「しかし、ギルド利用者の中には理解できない人がいます。なので、龍を倒してきてください。そう
 すれば、認められるでしょう。死なないように頑張ってくださいね。」
「え、そんなに強いんですか。」
「Xのひとつ下のランク、SSランクの方々10人のパーティー全滅しました。」
「えー怖いですね。」
「いやあなたがその龍を倒すんですよ。」
「死にそうになったら逃げますね☆」
「お好きにどうぞ。評価は下がりますが。」
「了解です。あ、その前にゴブリン狩ってきたんで売りに行ってもいいですか?」
「え?ゴブリン?何体ですか?」
「確か10匹です!素手で殴ったら死にました。」
「ゴブリンは、群れだったらAランク級の獲物です。それを10体。しかも一人で。そして素手!
 あなた一体何者ですか。」
「私の名前はエマです。」
「それは知ってます。……まあいいです。
 ゴブリンはここの受付は担当ではありませんので、一番右の受付に行ってください。それから、龍
 を倒しに行くなら、あちらにある掲示板から依頼状を取って、真ん中の受付に行ってください。」
「わかりました!親切にありがとーございます!じゃ。」
さあ、今度こそゴブリンを売りに行くぞー!!