コメディ・ライト小説(新)

Re: うちのクラスは異世界にある。 ( No.11 )
日時: 2021/08/05 19:23
名前: 魔王 ◆K3Erd2f3Yo (ID: 7VvLld12)

 雲が殆どないぐらい晴れていて、
すごくいい天気だった。
「これから話し合いを始めます……。」
暇だったから、屋上に行こうと思った。
幸い、私の席は一番後ろで窓に一番近くて、
隣の人も、名前は忘れたけど心優しい〇〇さん。
すんなり抜け出すことができた。
誰もいない静かな廊下を歩いて歩いて……。
後ろから足音がする。
私の足音と重なっていて……。
2人後ろからついてきているみたいだ。
1人は私のすぐ後ろをこっそり歩いているみたいで、
もう1人は隠れてついてきているよう。
誰がついてきているかは一応見当がついている。
階段を上って登って……。
屋上へ続くドアの前に来た。
「桃音、話し合いは大丈夫なの?」
「うん……やっぱり気づいていたんだね……、
 話し合いの司会は柊さんに任せておいた。」
「2人ともなんでついてきたの?」
「えっ!?
 えっと……1人だけだよ!
 ほら、後ろを見てみてよ!」
「隠れてるんでしょ?」
「なんでわかったんだ?」
やっぱり。
なにもないはずの場所から澄春が出てくる。
なんでわかったんだろうな……
見えていないけど、見えた。
そんな感じデス……
だって、自分で自分のことがわかっていないから。
今の私には中3の時から高1の時までの記憶しかない。
中2のときに事故にあって、記憶を失ったらしい。
そんなことは嘘ってわかってる。
事故にあったのなら少しぐらいは
傷があるはずだけど私にはなかった。
たまたまかもしれないけど、それだけじゃなくて、
親や医者は私についてのことを
名前以外は1つも教えてくれなかった。
今は名前も嘘なんじゃないかと思う。
家にはアルバムがあったけど
名札がついている私の写真が一つもなくて
ところどころ不自然に抜けていたりする。
中学校と高校では私は転校してきた
ということになっていて、私の記憶が殆どないことを
知っている人が1人を除いてはいなかった。先生も。
その1人は桃音。
なんで知っているかって聞いても、答えてくれない。
桃音は時々だけど私の名前を呼び間違える。
私の事を真宵って呼ぶ。
なんでだろ。

屋上に出ると校舎から外を見た景色とは
全く違う景色だった。
海が広がっていた。
すごくきれいな。
「ねぇ真宵、この景色見たことあるでしょ?」
桃音の口調が変わったと思えば
私を真宵と呼んだ。
私のことを呼んだとは思えないけど、
私はこの景色を見たことがあると思った。
いや、見たことがあるというより
記憶にある景色だった。
私には記憶がないのに。