コメディ・ライト小説(新)
- Re: 強すぎて力の制御ができません!! ( No.5 )
- 日時: 2021/09/04 14:46
- 名前: 花桜咲 (ID: 7VvLld12)
ーーツウジョウセイカツーー
いつも通りの日なんてずっと続くわけが無い。
何かが始まりそうな青いきれいな空だ。
本当に何かが起こるとは思えないけど。
「じゃあ、教科書の37ページを開いて」
いつの間にかホームルームが終わっていて1限目の授業が始まっている。1限目の授業は………めんどくさいから寝るや。………寝ようとはしたものの、セミが暑い太陽の下で合奏会を行っていて寝ることができない。
何かが始まりそうな青いきれいな空だ。
昨日は雨が降って乾ききっていなかった葉っぱの上の水滴に太陽の光がキラリと反射する。セミというアイドルのファンのように光った棒を振ってる。
いや、たとえが悪かったか。
とにかくきれいな空にきれいな歌声にきれいな光というのかな……?
空は
青く
澄んでいて
とても
きれいで
でも
クラスは
どんよりとした
空気が流れている
それには
少し
安心感があって
穏やかで
だから
だから
だから
いつも通りが存在する
いつの間にか授業が終わり、
この教室からノロノロとまるで暑さに溶けてしまったように出ていく。私は、それを眺めるだけで机から離れる気はない。
手首にある不思議な紋章を隠すために暑くて溶けそうでも大きめのカーディガンを着ている。それが……私が動くと絶対にどこかに引っ掛けて穴が開きそうだから。というのは嘘で。
その本当の理由を私には話すことができない。
いつも通りが途切れて何か新しいことが始まってほしいけれど、心のどこかではこのいつも通りが途切れないでほしいと思っているのだ。
「はるなー」
誰かに呼ばれている。私が。
この声は柚凪だと思う。でも柚凪以外の視線を感じた。どこかで眺めているような。あたりを見回すとサッカー好きの男子のグループの一人が私を見ていることに気がついた。でも、私と目が合いそうになった瞬間に目線を逸らしその人の表情は見えなかった。
「どしたの?」
「う〜ん。最近はるなに、声掛けても
すぐに気づかないときあるじゃん。他のみんなも
はるなのこと何かあったんじゃないかって
心配してたから、代表してあたしが話しに来た〜」
最近というのは、あの花火が上がった日のあとの日からだろう。私の手首に紋章が現れたのは花火のあとだから。
何もなかったと答えるか、紋章を話すか。
私は。
「あ〜……。心配してた?
ごめんね。最近、授業が難しくて……」
「えーでも、はるないつも成績トップじゃん」
私のことを普通に信じて励まそうとしてる。
ううぅ、ごめんね柚凪……。
いつか絶対話すからっ!!