コメディ・ライト小説(新)
- #死線コンビ ( No.4 )
- 日時: 2021/09/20 17:50
- 名前: 花桜咲 ◆WBRXcNtpf. (ID: 7VvLld12)
3
「それで、他のメンバーはどこにいるんですか?」
柚凪からの話が終わったらしく、奥の部屋から出てきた六明が柚凪達に質問する。___え? 今なんて言った? 他のメンバーだって?
「………え? 私達3人だけだけど」
「はぁ!? もっと人数がいるんだと思ってましたよ」
「残念ながら。あっ。武器、渡してなかったね」
ガサガサとあたりに散らばっている銃やら刃物やらをあさって取り出してきたのは剣。___日本刀だ。フォンタジーとかの剣とはまた別の昔ながらの刀か。
「えっとでも。こんなもの俺には使えませんけど」
「だいじょーぶ大丈夫。戦闘の時にはいつの間にか使えるようになるから」
ピーーピーーピーーピーーピーー
突然、柚凪が持っていたスマホが鳴り響く。
「あははっタイミングよくトウカがきたよん」
「えっと……殺せばいいんですか?」
「ううん。違う。封印されている魔を解き放って、魔だけを倒す。本体は元々人間だから。」
柚凪が真剣な顔で言う。
「封印を解くんですか? どうやって? というか封印ってなんですか?」
「うっさいバーカ。私がいるから大丈夫だし」
・・・・・
装備などを整えて出動するとトウカが現れた場所にはすでに5人の人たちがいた。かなりやられているようで、5人のうちの1人が倒れていて他の4人もせいぜいあと数分立っていられるかどうかの状態だった。
「Aクラスレヴェルのトウカだよ。多分あいつら5人には倒せない」
地球防衛能力隊のグループだろう。見た感じあまり鍛えられていないようにも見える。1グループでは倒せる敵じゃない。またあいつか。桜菜。___このままじゃあいつらは殺られる。そして私も魔法を使わないと倒せない。封印を解くのは魔法を使わなくても私の大鎌で切れば本体の人間には害がなく、魔だけを切り解き放つことができる。が、あのレヴェルの魔は人間では倒すことができない。できるところまでやるしかない。
「そこにいる5人の能力者。1度少し後ろに引き下がって!!」
グループは危険だということもわかっているらしく大人しくとりあえず引き下がった。倒れている少女は気を失っているようで他の人が抱き上げ連れて行く。そしてトウカに容赦なく大鎌を振るう。
「柚凪!! 朔斗!! 本体を連れてここからちょっと離れて!!」
「わかった!! ねぇ早く! 朔斗、行くよ!」
「えっ……うん。」
トウカは人形を保ちつつも黒い影となり少し揺らめいていて形を自由自在に変えることができる。
柚凪と朔斗がここから少し離れ、5人のグループのところへ行くのを確認すると、千景は大鎌をしっかりと持ち直し、魔のもとに走り出す。
・・・・・
「あっ……あの、助けていただきありがとうございます!! それと……あの人を1人にして大丈夫なんですか?」
「私の名前は水野 柚凪。高1です。こっちが六明 朔斗。それであっちで戦ってるのは千景 羅菜。それで、千景のことだけど……私にもわからない。でも、あれだけ強く言い切ることなんてないから大丈夫なんだと思う。」
「そうなんですか……。私達はですね、地球防衛能力隊というところから派遣されたグループなんですけど〜。訓練もなしにいきなりのグループなんで……」
グループの1人が少しうつむき気味に話す。
「桜菜………」
「え? えっと今なんて言いましたか?」
「いや桜菜って言ったんだけど、独り言だから気にしないで」
「じゃなくて、私達のグループを作ったのは桜菜さんなんですよ! 知ってるんですか?」
「知ってるも何も、千景は少しの間地球防衛能力隊に入っていたんだけど色々あって桜菜っていう人に追い出されたんだって言ってて……。それに、桜菜は君達みたいにかなり新人の人達を騙してるんだよ」
「え? どういうことですか? そういえば、まだ名乗ってませんでしたね。私の名前は黒羽 雪月で、こっちが私の双子の姉、黒羽 風花」
「俺は、炎夏 龍羅」
「霧崎 奏天」
「それで、この子が遥菜 歌乃」
「えっ!? はるなぁ!?」
「ふへっ!? 知り合いなんですか?」
「知り合いも何も私の親友だよ!!」
「はぁ!?」
こんなところになんで、遥菜がいるのよ……
「ああああああああああああああああああああ!!!!」
突然叫びが聞こえ、柚凪達は叫びが聞こえた方へ顔を向けた。
・・・・・
強い……。なんでこんなに強いのよ!
みんなにバレない程度で身体能力をあげる魔法を使っているのだが、トウカにはまったくもって攻撃が効かない。
「くはっっっっ………」
それに本体から離れたはずなのに魔は先程までとは変わらず、というよりかはさっきよりまして強くなっている。このままじゃ、人間としての私じゃ………勝てない………………。人間としての。
「ああああああああああああああああああああ!!!!」
………この攻撃が効かなかったら………………。
ごめんなさい。柚凪、朔斗。
千景はトウカに大鎌を振り下ろす。
キィィィィィィィィィィン
トウカは腕の部分の形を変形させ、千景の大鎌を薙ぎ払う。
……………柚凪、朔斗、本当にごめん。
カラナ家の戦闘用の服に変身するときの言葉。
この人間界に来てから1度も言わなかった言葉を千景は久しぶりとは思えないほどスラスラと言った。
「………カルア・ラ・ナイト」
薄い紫色の光が千景の体を包み込みより明るく千景の周りを照らす。