コメディ・ライト小説(新)
- Re: 天使(あまつか)さんは最強です☆ ( No.1 )
- 日時: 2022/01/10 19:54
- 名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ ◆GHap51.yps (ID: 0bK5qw/.)
prologue【私の名前を】
モンスター が 襲い掛かってきた! ▽
そう、画面に表示されたのが最初だった。
俺は咲黒恋。恋と書いてレンと読む。男の子だと知っても、母が「恋と書いてレンがいいのっ!」と聞かなかったらしく、結局俺はこの名前となった。そのせいか、俺の名前はからかい続けられ、ついたあだ名は「恋愛百戦錬磨」だ。ちなみに俺の恋愛経験は0に等しい。
だが、レンという読み仮名は気に入っている。カタカナにすれば大丈夫だ。うん。
さて、自己紹介はこのくらいにしよう。
「……噓でしょぉ!?」
そう、俺は最近始めたゲームの中に入ってしまったのだ!
ん? そんなの噓だって? ならばそれを確定付ける証拠をいくつか教えよう。
まず最初に、服が普段の部屋着から、そのゲームの主人公の服に変わっている。
目の前には見慣れたモンスター。
そして俺の手には大剣が握られていた。
「……と、ととととりあえず、ね……」
持ち上げられるか分からなかったが、一か八かやってみるしかない。
そう思ったが、存外軽かった。
「主人公って謎に強いよね」
そう言って思いっきり振り下ろした。
「(た、たった5ダメージ!?)」
確かこの辺のモンスターは、体力は全部で30くらい。
……いや、待てよ。確かスキルをいくつか持ってた気がする。けど……このゲームの技名は「死ぬほどかっこいいけどリアルで言ったら恥ずかしい技名ランキング」上位に食い込んでる。
「うおぉぉぉ死ぬよりはマシだぁぁぁぁぁ! 切!」
よし、これなら恥ずかしくない! お、よし、15ダメージ!
後は普通の攻撃を……―――
「ぎみゃぁぁあ!!」
「!」
そうでした! 攻撃ありますよね! 敵キャラですもんね! てか主人公の体力50に対40ダメージって何!? ここ初期エリアだよねぇ!?!?
「うおりゃぁぁぁ!」
もう一度攻撃をし、何とか助かった。
「ふぅ……」
自分でもモンスターを攻撃だけたという高揚感と同時に、疲れか何かから、思わず座り込んでしまった。
「……ん? 何これ」
倒されたモンスターから、何か光る球体が飛び出して、こっちに来ている。
討伐報酬アイテムか何か? いや、こんな演出なかったはず……。そう考えながら、それに手を伸ばした。
「っ!? 眩しいッ……」
凄い光が放たれたので、思わず目をつむった。
……もう、いいかな?
そう思って目を開けると、目の前にとんでもない美女がいた。
「……え?」
「お助けいただきありがとうございます」
金髪のふわふわした髪に、青い瞳。背から羽がばさっと音をたてて広がったその姿を見て、「あぁ、天使だな」と思った。
「私はこのモンスターに吸収され、好き勝手力を使われていたのです」
「あぁ、だから40ダメージ……」
「助けていただいたお礼に、あなたに仕えさせていただきます」
「えっ!?」
こんな美人がパーティに……夢かっ!?
「我ら天使や神は、現世の者に仕える際はその者に名前を付けていただくことになっております。……私の名前を、決めてくださるでしょうか?」
「えぇっ!?」
しかも名前決め自由!?
ここは、いい感じにギャグもその人らしい表現もいるよねぇ……
よし、決めたっ!
「天使でどうでしょう!?」
「あぁ、素敵なお名前ですね! では、今日から私の名前は天つ……あまつかぁ!?!?」
「ひゃいっ?」
あれ、何かキャラが……
「天使だからあまつかですってぇ!? そんな安直すぎる名前、このアタシにつける気ィ!? ふざけないでよ、訂正して!」
「えっ、えっ?」
「早くしないと、名付け天使がきちゃ……」
「すいません、もう来ちゃいました」
「アーオワタァァァァ!」
も、もう一人美人が……! こっちはなんていうか、可愛い系……ってか、もしかして物語の最初に出て来た予言天使……!? えっドット絵では分からなかったけどすげえびじ……そんなこと言ってる場合じゃない。先に出て来た人はキャラ崩壊してるし!
「では、ユーゼ・モーラン、改め……フフフっ」
「ちょっと今アンタ笑ったでしょ!?」
「天使。レンの人生が終わるまで仕えることを、ここに記される」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
こ、この世の終わりみたいな顔してる……。
「それでは、頑張ってください」
そう言うと、彼女は消えていった。
「……あの~……天使さん……」
「ないで」
「え?」
「その名前で呼ばないで……せめて人前ではやめて……人前ではユーゼって呼んで……」
な、泣いてる……。
そ、そんなに嫌だったか、この名前。
☆説明しよう☆
レンは自分では気付いていないですが、母譲りのネーミングセンスをしております!
「……いい?」
「えっ?」
「アタシが仕えるからにはねぇ、絶対魔王倒してアタシに楽な生活を早くさせなさい」
と黒笑で言う天使さん。
天使がする顔じゃない。そう思った。
「あっ、ハイ。てか、キャラ……」
「こんな名前付けられて聖なる天使仮面ずっとつけてられるか」
「ひゃい……」
でもなんつーか、こっちの方が話しやすいかも。
「とりあえず今日は冒険初日でしょ? どっかの街で飲むわよぉ! とことん!」
「天使がお酒ぇ!?」
「悪い!?」
そんなこんなで、俺らの冒険は始まりました。