コメディ・ライト小説(新)
- Re: 天使(あまつか)さんは最強です☆ ( No.5 )
- 日時: 2021/10/25 19:12
- 名前: シャード・ナイト☪︎*。꙳ ◆GHap51.yps (ID: 0bK5qw/.)
episode1-4
それから五日後―――
俺はレベル5~10の新人勇者を始めてからたった四日でレベルが300を越えた。
今では幽霊城のモンスターにもいくらかダメージを入れられるようになっている。
それでも天使さんは魔王城には行かず、今日もまた幽霊城に来ていた。
「天使さん」
「ん?」
「これもう魔王倒せますよ」
「んなこた分かってるわ」
「え?」
わかってるのに行かないということは天使さんだしそれなりにくだらない(ここ重要)な訳が―――
「たくさん倒した分ゴールドあるから魔王討伐の後酒飲み放題じゃない」
「んなこったろうと思ったよ」
一緒に何日か生活して分かったことがある。
天使さんは前世(?)でいうとこの不良女子というやつだろう。
朝俺が起きないと足蹴にするし、俺が気持ちよく寝てた時に腹に足が飛んできたり、まぁとにかく足癖も寝相も悪い。
酒飲みだし、全然天使とは程遠い。
きっと行動の舵取りは心の悪魔が担っているんだろう。天使が舵を取るのは、聖なる天使モードのみだ。
「それに、一撃で魔王やれたらボーナスゴールドも……」
「んなこったろうと思ったよ(二回目)」
「アンタさっきから敬語が迷子になってるわよアナウンスしてあげよっか?」
「結構です今連れ帰りましたので」
というか、ファンタジー系なのに迷子センターとかあるのか?
今まで天使さんは何度かこっちの世界でしかありえなさそうな発言をしている。
そういうところがあるのだろうか。
「今日はこのくらいにしましょ! 今日の夕飯はモンスターの肉で焼肉よぉ!」
「お酒は?」
「買ってきて」
「デスヨネ」
まったく、相変わらずだなぁ。
「どこでやります?」
「あそこ! 開けてるし、周りに燃え移りそうなものもないし!」
「分かりました」
頷いて転移魔法を使う。
行先は近くの町だ。
「ようレンくん、また酒かい? ほんとよく飲むねぇ」
「あ、AHAHA……」
天使さんは人前だと聖なる天使モードを貫くのでお酒は俺が飲んでるという解釈になっている。
というのも一日目の時以来天使さんは人前で飲まなくなったのだ。あの日はヤケ酒だったらしい。
色々な種類のお酒を買い揃え、転移魔法を使って戻る。
「お、おかえり!」
「買ってきましたよっと……薬味もあります」
「種類は?」
「塩ソースにんにくです」
「よっしゃ上出来!」
既に天使さんは肉を焼き始めていて、少し焼き目がつくともう酒瓶のふたを開けた。
そのとき―――
ガサッ……
「ん?」
「何、今の音……」
ガサッという音はすぐ近くの森から聞こえてくるようだった。
だんだんこちらに近づいてくる音に、天使さんも俺も怯え始めた。
「ひぃぃぃ!」
「ちょっ、アンタ男でしょぉぉぉぉ!!!」
「天使さんの方が強いでしょぉぉぉぉぉ!!!!」
開けた草原に俺たちの悲鳴が響き渡る。
ガサガサッ!!!
「「ぎゃああああああ!!!!?!?!?!?」」
……あれ?
うっすら目を開けると、そこには少女が立っていた。
「お化け? 幽霊?」
「ちょっ、天使さん……」
「……いい、匂い……お腹……すいた……」
かすれた声で少女はそう言った。