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コメディ・ライト小説(新)
- prison break 第一話 ( No.3 )
- 日時: 2021/12/04 19:41
- 名前: もやたろー (ID: NdgXheZW)
――第一話『監獄』――
目を開けると、使い古されたような、そんな汚さの天井が目に浮かぶ。
周りには、人がいなく、自分だけ。
そんな監獄(ところ)に現在進行形で閉じ込められている。
つい、二日以上前。
いつもどおりに、スクランブル交差点とかいう所を彷徨っていた。
一応、俺も28歳。
成人して、およそ十年。
どちらかと言うと、半分より前の世代だ。
仕事は……
ない。
そのためいろいろな理由でここを彷徨っている。
耳元に、届く声。
ドタバタと鳴る、足音。
そして、鼻に来る、何かのいい匂い。
いつもと変わらない日常。
そんな日に俺は地獄を見る。
目の前に、打ち上げられた、花火のような血。
まるで某漫画のベ○ータが言った、『きたねぇ花火だ』
状態だった。
ただし、現実はそう甘くはなく、人が、目の前では死んでいる。
体中に切りつけられた跡。
これは人為的なもの。
即座に俺はそう思った。
犯人。
あいつだ。
黒フードにマスク。
手元には、血で染まったナイフ。
そして、赤くなった右手。
逃げられる。
そう考えていた。
『ピーポーピーポー』
この周りに大きなサイレンが響き渡る。
救急車とパトカー。
もう一度いうがここはスクランブル交差点。
何もかもが、多い。
通報する人が多ければ、周りに交番だって多い。
と、サイレンが頭に来ると、俺はすぐさま、男を指差し、こういった。
「あの人……あの人だ!」
と、警察は大きな盾をこちらに向け、周りを取り囲んだ。
そういうわけで跡はお察しのように、俺は今、冤罪で、牢屋。
真犯人は逃走中。
『俺はこの監獄を脱出しなければならない』
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