コメディ・ライト小説(新)

Re: ハッピーバイバイバレンタイン ( No.3 )
日時: 2022/02/14 23:07
名前: 永久 知音 (ID: hDVRZYXV)

「そうだテル。貰ったお菓子の中にマシュマロってあるか?」
「マシュマロ? どうしてそんなこと聞くんだ?」

 今度は突拍子もない質問。
 今が別れの一時であることを忘れてしまいそうなほどに、陽気な親友だ。
 テルはサクの話を聞きながら紙袋からマシュマロを探す。

「お菓子言葉って知ってるか?」
「お菓子言葉? 花言葉みたいなもんか?」
「そうそう。んで、マシュマロのお菓子言葉が、『あなたが嫌い』なんだってよ」

 その言葉と同時にテルの手が止まる。

「あった……」
「まじかよ! テル、呪われるぞ! はははっ」

 いやいや、渡してくれた本人にそんなつもりはないはずだ。たぶん……。

 そう言い聞かせて、テルは自分の悲哀を和らげる。
 マシュマロのように、ふわふわと。

 新幹線の扉は、まだ閉まらない。