コメディ・ライト小説(新)

Re: 不運の最弱勇者 ( No.1 )
日時: 2022/07/27 08:55
名前: 名のない初心者作家 (ID: bSLQhqZo)

「じゃあな!」ケンイチに別れの言葉を告げる。と言ってもどうせまた明日会うわけだが。にしても疲れたー。もう6時だぜ?今どきこんな時間まで部活なんてするか?いや、ねーわ。時間が長いだけじゃなく内容もハードなんだよ。あいつ、サディストの気があるんじゃねーか?はあ、この階段一段一段が断崖絶壁のようだ。すげえからだが重い。あーあ、さっさと風呂入っちまおう。そしたらしばらくはカノジョと連絡とって癒されるか?
そう思った瞬間視界が反転して‥‥‥俺の意識は消えた。





目が覚めると真っ暗な世界にいた。何があった?たしか‥‥部活があったな。そんであのアパートに入るのに階段を登って‥‥ああ!もろくなってたから階段がぶっ壊れたのか!くそ!俺ついてないな。 ん?ここ、どこだ?体は‥‥動くな。病院のベッドじゃないのか?不意に明るくなると女性が現れた。それは‥‥形容しがたい美貌を持った、銀髪の女性。その人は口を開いて‥‥
「はじめまして、田中章宏さん。あなたは先程不運にも亡くなりました。私は死者を導く女神、クレア。あなたには三つの選択肢があります。」
今、なんていった?俺、やっぱ死んだの?
「一つ目は天国に行ってのんびり暮らすと言う物。二つ目は生まれ変わって新たな人生を歩むと言う物。」
ちょっと待てよ。ついていけないんだけど?
そして、最後にそいつは少し置いて最も意味不明なことを言い放った。
「そして三つ目。このまま異世界へ行って魔王と戦うと言う物。時間はあります。ゆっくり選んでください。」
「おい、バカにしてんのか?何が異世界だよ。ここどこだよ?さっさと戻せや!」
しまった。自称でも相手は女神だ。それに初対面だしな。
「落ち着いてください。死んだ後は大抵の人が混乱しています。ゆっくり思い出してください。ここは死者を導く為の場所、いわば天界です。」
「え?俺死んだんですか?」
「それは先程言ったはずですが?」
マジかよ‥‥俺、昨日彼女できたばっかだよ?やっとレギュラーになったんだよ?こんな事ある?‥‥しょうがない、信じてさっきの三つから選ぶか。生まれ変わるのはナシだな。彼女を忘れたくはねぇよ。めんどいしタメ口でもいっか。何も言わないし。
「なぁ天国ってどんなとこなんだ?」
「肉体が存在しないのでありとあらゆることができないところです。」
マジかよ。そんないいとこじゃねぇな。
「じゃあ異世界って何だ?」
「よくぞ聞いてくれました!そこはですね、魔物が蔓延っていて文明がなかなか進歩できないところです。そこで亡くなった方は魔物に殺されたくないと言って天国にみんな行ってしまうんです。そ、こ、で!あなたのような若くして亡くなった方を送ろうって事になったんです。どうです?行ってみますか?」
面白そうだ。言葉なんかも神の力かなんかで身につくだろ。
「よし!そこ行くよ!」
「わかりました!ではこの中からあなたが欲しい能力を選んでください。」
能力か‥‥騎士ってカッコいいよな。でもせっかくの異世界なんだから魔法も使ってみたいな。 あ!たしかルーンナイトとかあったよな!よし!
「決めた。たくさんの魔力と防御力をくれ。」
「ええ!?それは難しいですよ。一気に二つなんて!」
「マジかよ。あぁそうだ。じゃあこうしよう。本来特典としてもらえる魔力と防御力の半分ずつで合計一個ってのはどうだ?」
「‥‥それも難しいですが、たぶんできますよ。あまりおすすめはしませんが。まあいいでしょう。では初期装備としてこの魔法剣と動きやすいように革製の胸当てと金属のコテを渡しますね。では、いってらっしゃい!」
今、俺の冒険が始まる!!