コメディ・ライト小説(新)
- Re: 不運の最弱勇者 ( No.16 )
- 日時: 2022/06/11 17:25
- 名前: 名のない初心者作家 (ID: bSLQhqZo)
アクアリア出発前日、俺たちは最後のレベリングをしていた。それは…
「オッさん!アレもう一皿追加ね!」
「私も!」
港町特有の新鮮な魚を食べていた。アレとは養殖でたくさん経験値の詰まったお高い魚のことだ。
あの詐欺依頼者に警察に突き出す代わりにここでたらふく食べさせろと言ってやった。面白いことに全員が2皿ずつ食べることでレベルが1上がるのだ。くたくたに疲れたクエストの後、俺のやらかしで余計と腹が減っていた俺たちはすぐレベル60に到達し、ライデルにケンカ売る目安に到達した。
なぜかレインが嫌そうな顔をしていたが、やはり警察官として犯罪者は見過ごせないのだろうか?
「レイン、コイツらも初犯なんだし見逃してやろうぜ。俺たちはあの働きの分を食ってるだけだしよ。」
「え、ええ。分かりました。」
「あ、あの‥‥もうこれくらいでまかなりませんか?」
「ハンパじゃない額なんですけど‥‥」
「「「「何か言った?」」」」
「「いいえ!」」
コイツらが泣いてやめろと言っていたが、そんなもん知らねえ。
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なんと俺たちはレベル64までになった。‥‥1人12皿かよ。
‥‥まぁそれはおいておき。
俺たちはアクアリアの離島、魔王軍幹部ライデルのいる島にやって来た。
いよいよ決戦だ。二手に分かれて潜伏及び捜索をする。ロイとフィオのチームと俺、リン、レインのチームだ。
レインは持ってないから知らないかもだが、俺たちパーティはお揃いの装備の機能で500mほど離れていても連絡が取れる。
!?何か殺意が後ろから‥‥
「ヒロ、危ない!」
「うわっあっちぃ!?なんだ!?」
振り向くと後ろには腰が抜け、必死にロイに連絡を取るリンと、剣を振り下ろした姿の‥‥
レインがいた。
「まさか生きているとは。想像以上に防御力が高かったんですね。もう少し火力を上げて‥‥」
「レイン、お前!」
「申し遅れました。私‥‥いや、これでいいのか。俺はライデル。魔王軍幹部にして炎魔法を得意とするライデルだ。やっとこの堅苦しい喋り方からもおさばらだなぁ。これも擬態だが‥‥貴様らは簡単に倒せるだろう。最弱職にヒーラーだしな。フハハハハ!その後はこのまま平静を装ってあの2人も‥‥いや、フィオは腐っても貴族の娘。身代金をぶんどってやるかねぇ。」
「そんなことさせねーよ!せめて時間稼いでやる!」
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リンとの共闘でレインもといライデルとほぼ互換で渡り合う。一進一退だが‥‥
俺たちの方が劣勢だ。俺もリンも魔力がやばい。
やがて魔力の尽きたリンはロイたちを呼びに行き、殿を務めた俺は‥‥
魔力も体力も尽き果てて‥‥
「ヒロ!ありがとう!助けにきたわよ!」
「後は任せろ!」
「すぐ回復させてあげるから!」
意識がもうろうとする中で‥‥
「ったく。おせえよ‥‥」
たくましい仲間の声を信じるが‥‥
俺の意識は消えた。