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コメディ・ライト小説(新)
- Re: BLUE〜アオハルの1ページ〜 ( No.2 )
- 日時: 2022/07/19 21:17
- 名前: meru (ID: XWWipvtL)
PAGE1:桜、咲く。
初めての電車通学ーーー。
駅から高校までの通い慣れない通学路をわたしは重い足取りで歩く。
中学最後の日。
わたしは、付き合っていた男の子‥‥結城慎也にフラれてしまった。
慎也は‥
わたしには、もったいなさすぎるぐらいに完璧な男の子で。
一見、無愛想で口調も冷たいけど‥‥その心の内に秘めている優しい部分もわたしは知っている。
フラれたのは‥完全にわたしが悪い。
わたしが‥‥
彼がわたしを想ってるのと同じぐらいに気持ちを返せなかったからーーー。
彼を不安にさせてしまった。
「‥‥はぁ‥‥‥」
深く、ため息を吐く。
慎也と別れてしまったことは悲しいし‥別れた日に涙が溢れるぐらいには落ち込んだ。
心の奥底では高校になっても、こんな何気ない日々が続くものだとばかり思っていた。
だけどーーー。
慎也を‥ 好きなのかと聞かれるとよく分からなかった。
ーーー『俺を好きだって‥ 今ここで、はっきりと言える?』
あの日の彼の問いかけが‥ 頭の中で反芻する。
あの時に‥ 即答できなかった時点でわたしは、彼のことをきっと本気で好きではなかったのだと思う。
そして、答えられなかったわたしに責めなかった彼は‥心の底から優しい人だと思う。
今更になって‥ 彼の存在がどれだけ大切か分かったって遅い。
何もかも‥遅い。
もうわたしたちは。
きっと。
交わることなんか‥ ないのだから。
そんな事をぼんやりと自問自答しながら。
わたしは。
高校までの長い桜並木の中を歩いていたーーーー。
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