コメディ・ライト小説(新)
- Re: 色褪せた僕は、 ( No.34 )
- 日時: 2022/08/24 20:28
- 名前: 珠遙[たまはる] (ID: tEZxFcMB)
6話 クリスマス
「クリスマス?特に予定はないけど」
なんかクリスマスの予定を聞かれた。
「じゃあさ、叶望ん家でパーティーしようよ!」
「うん。うん?」
どうかしてるぜ!
流石に夢野だけというのもどうかと思うので、迅をさそってみたところ、
「マジ!?絶対行く!」
とのこと。
ーー昼休み、屋上
「へぇ、家でやるんだ」
「ああ、たくさん居たほうが楽しいだろ?」
お昼を食べながら、クリスマスパーティーの計画について話していた。
「ふぁおるふぁんふぁはんえ?」
「飲み込んでから喋れよ...。郁さんはその日、夢野たちが来たらサークルの旅行行くらしいから別に良いって」
「ごくんっ...いいなー、私も旅行行きたいー!」
この年にまでなって、駄々をこねるのはどうかと思うが...。
ーー
「いやー、君たち高校生は良いねぇ。クリスマスパーティーなんかやって、青春謳歌してさ。私なんか、この前...」
回想
『郁ちゃんさぁ、俺と[ピーー]しようぜ?俺の結構でかいから』
『きっしょ(すいません、私ちょっと予定あるので)』
「って言われたからね?」
郁さんの返答もなかなかヤバいと思うのだが...。
- Re: 色褪せた僕は、 ( No.35 )
- 日時: 2022/08/25 19:17
- 名前: たまはる (ID: tEZxFcMB)
ピンポーン。
そんな会話をしていると、家中に
間抜けなインターホンの音が鳴った。
『こんちゃー、迅だよ』
「お帰りはあちらでーす」
『俺の扱いひどくない!?』
茶番はここまでにし、迅を家に入れた。
「お邪魔しまーす」
「ああ、叶望のお友達さん?いらっしゃい、私これから居なくなるけど」
郁さんが話しかけると、迅はいきなり礼儀正しくなった。
「木山迅と言います。いつも叶望にはお世話になっています!」
「うん、こちらこそ~」
「なぁ、叶望。お前が羨ましいよ、こんな美人と同居できるなんて」
「そうか?」
すると、迅はさらに肩を掴んできた。
「くそっ、お前は同類だと思ってたのにぃぃぃ!」
「なんの同類だよ...」
別に迅が女性問題に困っているわけではないと思う。
あいつ自身、容姿端麗で成績も優秀で好意を抱いている女子だって居る。ただ、迅が告白されてもなんか訳のわからない言い訳をして断るらしい。
本人曰く、中学の頃に好きだった女子のことが忘れられないらしい。
- Re: 色褪せた僕は、 ( No.36 )
- 日時: 2022/08/25 21:09
- 名前: たまはる (ID: tEZxFcMB)
ーーピンポーン。
不意に鳴ったインターホンに、思わず身を震わせる。
モニターを覗くと、私服姿の夢野が立っていた。
俺はモニター越しの会話をせずに玄関へと向かった。
「よっ、夢野。遅かったじゃないか」
「ちょっとね。雪降り始めてきちゃったから、寒くて」
辺りは既に真っ暗で、とてもではないが見えない。
しかし、夢野の言ったとおり、雪がひらひらと落ちていくのが確認できた。
「本当だ。とりあえず入ってよ、寒かったろ?」
「うん。じゃ、お邪魔しまーす...。うわー、広い...!」
夢野が目を輝かせながら、リビングを見渡す。
俺はエプロンを着け、アイランドキッチンへ向かった。
この家のキッチンは、俺専用の特注品で、最高に使いやすい。しかも、後ろにもスペースが余っているので、二人以上での料理は窮屈にならない。
「えっ、叶望が料理作ってくれんの?」
「ああ。味には自身があるから、安心してくれ」
クラスメイトに手料理を提供するのは初めてのことなので、少し緊張している。
ということで、クリスマスらしい料理を作ろうと思う。
まず一品目、アヒージョを作る。ちなみに俺はエビが嫌いだから食べない。
「でけた」
「「「いただきます。」」」
「あむっ...。美味しい...」
「叶望、お前天才だよ...」
なんか、好評だったので二品目はグラタン、三品目はローストビーフ。
全て好評だったので良かった。面倒な料理を作った甲斐がある。
- Re: 色褪せた僕は、 ( No.37 )
- 日時: 2022/08/27 18:27
- 名前: たまはる (ID: tEZxFcMB)
時刻は8時を回り、女子組はお風呂に入りに行った。
「女子の入浴シーン...。興奮するな!」
「しない。変な想像すんな」
全く、変態ときたら...。しかも迅はイケメンだから、下ネタを言うとどうしてもダメに聞こえてしまう。
ーー
「じゃ、おやすみー」
幸い、一人一部屋あったので俺一人で寝れる。
「つっても、眠くないんだよな」
流石にこのくそ寒いなか、外に出るとはバカの発想だ。
そんなことを考えていると、ノックの音が聴こえた。
「のぞみん、入るよ」
夕姫が入ってきた。
夕姫はオーバーサイズのジャージを寝間着として着ていた。ま、俺のジャージだけどね。
「どうした?お前も寝れないのか?」
「まあね。...よいしょ」
質問に答えると、俺のベッドに入ってくる。
「なぜ入ってくる」
「一緒に寝ようかなって」
好きにすればいいさ、とだけ答え背中合わせの状態になった。
夕姫の体温や心音が伝わってくる。背中に感じる夕姫は華奢だけど、落ち着く。
「...あのさ、こうやって寝るのもう10年ぶりぐらいだよね」
「そうだな、あんときはまだガキだったからな」
会話が途切れる。何を話そうか、必死に話題を考えるが思い浮かばない。
「......私は、叶望のことーー」
その続きは、夕姫は話そうとしなかった。
「...いや、やっぱなんでもない」
「えー気になる」
「良いから、おやすみ」
寒さなんてどうでもよくなった。とにかく、夕姫の言おうとしたことがなんなのか、分からずに寝てしまった。
6話終了です。
クリスマスパーティーですか...。
クリボッチなんで関係ないですね。