コメディ・ライト小説(新)

Re: 色褪せた僕は、 ( No.38 )
日時: 2022/08/27 19:17
名前: たまはる (ID: tEZxFcMB)

7話 晴夏、来日

ようやく期末テストが帰ってきた。だってさ、終業式の日だぜ?
「叶望、また学年2位じゃん」
夢野が話しかけるが、正直あまり満足はしていない。
「いや、なんで夕姫と1点差で負けた...」
そう、夕姫は500点満点中487点、俺は486点というとても悔しい結果だった。
別に2位は素直に嬉しい。だが、たった1点で負けたのは本当に悔しい。
やっぱり、あの夕姫には勝てない。
「おい花山、惜しかったじゃないか。でも、お前はよく頑張った、3学期末のテストで頑張れば良いじゃないか。見てみろ、3位とは25点も離れているじゃないか」
「先生~」
やっぱり先生は優しい。

ーー
「のぞみん、2位おめでとう」
「あんま嬉しくねぇ。でも、ありがとう」
すると、夕姫がキラキラと目を輝かせながら、こちらを見てくる。
「あー...1位おめでとう」
「まあね、私にかかれば余裕だね」
「そっすか。」
「なんかムカつくから一発殴らせて」
え、聞いてない。
「無理無理無理無理!無理って言ってんじゃnゴフェ!」

Re: 色褪せた僕は、 ( No.39 )
日時: 2022/08/28 17:48
名前: たまはる (ID: tEZxFcMB)

ーー
「ふふっ、いてぇ...」
「おい、引かれてんぞ」
左頬がとても痛い。血の味がする。
「もう帰るんだから、いい加減良いだろ」
「痛い...めっちゃ痛い...」
最悪だ。他のクラスメイトたちは楽しそうに帰るのに、俺は頬が痛い。
迅は呆れた顔で俺を見てきた。
「帰んぞー」
「待ってよぉぉぉぉ!」
「うわくっつくんじゃねぇぇ!」

ーー
「ただいまー」
「おかえりー。あれ、夕姫は一緒じゃないの?」
「はい、なんか駅寄って帰ってくるらしいです」
そう、夕姫は駅に寄って帰ってくるのだ。理由を聞いても、教えないの一点張りなのだ。よほど俺に知られたくないのだろうか。
( ゚д゚)ハッ!もしやこれは...。
「男ができた...!?」
「はぁ...大体、夕姫に男ができるわけないでしょ?」
「そりゃそうか。あいつ、下ネタばっか言うからな」
「全く、叶望は察しがいいのか鈍いのか...」
郁さんがなぜ頭を抱えているのか分からないが、何かしらあるのだろう。
女の子とは大変なものだ。
「たっだいまー!」
「お、お邪魔しまーす」
夕姫が帰ってくると、見慣れた容姿をした女性がいた。
「え?なんで晴夏が...」
「あれ、言ってなかったっけ?今日から一泊二日するんだよ?」
(聞いて)ないです。

Re: 色褪せた僕は、 ( No.40 )
日時: 2022/08/31 16:53
名前: ぷれ (ID: tEZxFcMB)

「知らねえよ。なぜ重要なことをもっと早く言わない貴様ぁ!」
「へっ。君が坊やだからさ」
こいつなに言ってんだろう。
そんなことはどうだっていい。今日が大晦日なのもどうでもいい。...どうでも良くねえわ。
「今日、大晦日なんだが?」
「知ってるが?」
もうやだ夕姫。しっかりしてんのか、してないのか分からない。

ーー
「お前、年明けまで起きれんのか?」
「だい、じょうぶ...」
あんなにも元気だった夕姫がいきなりウトウトしはじめた。
「はあ...仕方ねえ。ソファーで寝てろ」
流石にお女子の部屋に入るのは気がひけるので、申し訳ないがソファーで寝てもらうことにした。
そのまま毛布をかけると、すぐに寝てしまった。
「おお、君もカッコいいとこあるね~」
「そんなんじゃないです。俺はただ、こいつの看病が面倒なんです」

Re: 色褪せた僕は、 ( No.41 )
日時: 2022/09/02 12:27
名前: ぷれ (ID: tEZxFcMB)

そうは言ったが、本当は自分の気持ちを晒すのが恥ずかしいからだ。
今さら、こいつに迷惑ばかり掛けていたのにも関わらず、好きですなんて言えない。
『5,4,3,2,1...明けましておめでとうございまーす!』
歌番組の司会がカウントダウンをし、新年が明ける。
夕姫は起こそうとした、だが起きなかった。良いね?
「さて、兄妹で初詣に行っておいで。私は夕姫が起きたら行く」

ーー
「ーー混んでるね」
「そうだな。流石に新年だからこんなもんだろ」
あまり人混みは得意じゃないが、せっかくの新年なので我慢する。
「あれ?叶望じゃん」
そこにはコートを着込んだ夢野がいた。
「おう、夢野。お前も初詣か?」
「うん。で、その人は?」
「妹の晴夏です。にぃ...兄がお世話になっています」
晴夏は他人行儀に、夢野に頭を下げた。
「こちらこそ...。びっくりした、彼女かと思った」
「んなわけないだろ?俺に彼女ができるということは、天変地異でも起きるんじゃないか?」
「もう、また卑下する...。叶望は結構モテるよ?叶望のことが好きな人たくさんいるよ?」
「お世辞でも嬉しいよ」
この気持ちは本当だ。誰かに好意を持ってもらえるのは光栄なことだ。
「にしても、全然似てないね。それに晴夏ちゃん可愛い」
「ありがとうございます。血は繋がってないですよ」
「ということは、義理?」
「そうだよ」
すると、夢野は何かを思い出したのか、少し早口になった。
「あ、ヤバい。年越しそば食べなきゃ。じゃ、バイバイ」
「おう、じゃあな」

ーー
「ただいま~」
「ん、おかえり」
帰宅すると、すでに夕姫はおきていた。が、
「グガー」
郁さんは寝ていた。というか、いびきかいてるし。
「いやー、初詣行こうと思ったんだけどさ...。郁さんがこんなんだし」
困ったように笑う夕姫に対して、俺も笑うことしかできなかった。
しかしながら、もう一回神社にいk
「じゃ、もっかい行くか」
「じゃあ私は寝てるよ」
晴夏はついて行かないのか、と思いながら雪が降る夜道を歩いた。

Re: 色褪せた僕は、 ( No.42 )
日時: 2022/09/02 16:31
名前: ぷれ (ID: tEZxFcMB)

「なあ、お前は何を願ったんだ?」
「ん~?好きな人と結ばれますように、かな」
少し胸が苦しくなった。夕姫に好きな人ができたのは、確かに嬉しいことではある。
それでも、なんだか辛かった。
「のぞみんは?」
「俺は、内緒」
夕姫は頬を膨らませた。
「む。のぞみんのケチ~」
誰がケチやねん。
まあ、良いか。帰るために、来た道を歩きだした。

ーー
「あ!見て!ご来光だよ!」
「ほんとだ、綺麗だな...」
刹那、耳に突き刺さるようにクラクションの音が鳴った。
「っ!?夕姫!」
庇った。彼女を道の向こう側へ突き飛ばした。
でも、俺は間に合わなかった。全ての現象がスローモーションのようになる。
俺、死ぬんだ。
「叶望!」
とてつもなく、鈍い音が鳴る。体は後方へ吹き飛び、遅れて激痛が走る。
「叶望!叶望ぃ!」
必死に彼女は俺の名前を叫ぶ。
ああ、どうしてこんなに怪我ばかりするのだろう。
視界が赤く染まる。目に血が入ったのだろう。体が動かない。どう足掻いたって、指すら動かない。
声すら上げられずに、意識を手放した。

7話終了です。交通事故とか遭ったこと無いんですが、みなさんはありますか?
ちなみに、今日は貧血で倒れそうになりました。