コメディ・ライト小説(新)

Re: 始発線は終点をしらない ( No.11 )
日時: 2022/08/30 13:32
名前: 琥珀*@ (ID: GDWSGe53)

【~夏の特別編~】
楽しき夏の、特別なラブコメを。

[挨拶:こんにちは。琥珀です!普段は挨拶しませんが、特別編ということで挨拶させていただきます。今年は、特に暑いですね。暑すぎます‥。ですが、そんな暑くても寒くても、「終わりのない」恋愛を過ごす、湊・星奈・千歳・凪咲。4人の特別ラブコメをお楽しみください!]







【夏の特別編】本編第9話「ついに青春夏休み!」(本編と特別編はセットとなっています)

「よっしゃー!ついに、ついに、ついに夏休みだっ!」
「そんなに嬉しがることでしょうか?」
「…え。星奈ちゃんは嬉しくないの?」
「嬉しくない奴がいることがびっくりするが」

俺は湊。今回は特別に俺がいつもの日常の解説をしてやる。
で、どうやら星奈は夏休みが嬉しくないようなんだ。

「ええ?だって、夏休みは宿題がありますが、友達と会う時間も減るでしょう?」
「なるほどね!星奈ちゃんらしい意見だよ~」

これには、あの千歳も納得したらしく‥俺も納得した。

「あ‥友達と会う時間が減るのは寂しいんですけど。皆さんには会えると思うんです。だから、今度この4人で、なんでしたっけ‥近くにあるプールに行きません?」
「プール‥‥楽しそうだな!」

俺は、星奈の意見に賛成した。
実は、俺もそのプールが気になっていたんだが、中々声をかけるのが難しかったんだ。

「私も賛成!行きたい!で、千歳君はどうなの?行くでしょ?」
「3人と1人じゃあ否定するも何もできないだろう?仕方ないが行く」
「仕方がないとは何事ですか?たまには、千歳さんも楽しめばいいでしょう」
「そーだそーだ!楽しめ千歳」
「うるさい。静かにしろ湊」

と千歳から皮肉を浴びさせられたが‥プールには行く気らしい千歳だ。
素直じゃないひねくれ者めが‥!

「じゃあさ、いつ行く~?俺はいつでもいいぞ。その日は何が何でも開けておく」
「ココでは決めれませんよ。メールで決めましょう。それぞれの親御さんに報告をお願いしますね」
「分かった!じゃあ、またメールで」
「…了解した」

そこで、俺らはメールで落ち合うことにしてそれぞれの家へ戻っていった。


「母さん!お願いがあるんだけど」
「なに?湊‥お願い事があるなんて、珍しいわねぇ…」
そんなに珍しいか?と思いつつも、俺は母さんに聞いてみた。

「いつかは決まってないけどさ、今度友達とプールに行くことになったんだ。今からメールでいつか決めるけど、行ってもいいよな?」
思い切って、母さんに言ってみたが‥

「まぁ、友達とプールに行くのね。別に全然いいけど」

言ってみたが、意外と単純だったことに驚いたな…
許可するのが軽い気持ちなんだろうか。母さん‥

「よっしゃ!アリガトな母さん」
そう言い残すと俺はケータイを取ってメールを速攻で開いた。


湊 :やっほ~ 許可貰ったぜ!
星奈:私もちょうど今、許可をもらったところです
湊 :アレ、後の二人は?
千歳:いるが?
凪咲:‥いるんですけど~?

(うわ‥怒らせたか、これ?)

湊 :わ、ゴメン!で、いつになったんだ?
星奈:あさってにしようと思うのですが、大丈夫ですか?
湊 :全然OKだよ!むしろ早くていいな!
凪咲:あさって?いいよ。
千歳:丁度、空いているな
星奈:よかった‥安心したよっ‥
湊 :えっ‥‥?
凪咲:ホントに、星奈ちゃ‥ん?
千歳:偽物か?ふざけているのか?

(えっ‥‥ふざけているのは、そっちじゃないの‥‥?なんだか、怖い‥)

はぁ!?あの星奈が、敬語を使わずタメ口!?敬語じゃなくて?
怖いって‥怖いって‥大丈夫なのかな。

湊 :だって‥星奈、お前タメ口‥‥
凪咲:湊君の言う通り、敬語使わないの‥‥?
千歳:敬語を使わないなんて、お前らしくないぞ‥‥?
星奈:え‥‥あっ…!

(ふえぇ‥間違えて言ってしまいました!)

星奈:わ…ゴメンなさい。これからはちゃんと敬語にしますので‥
湊 :いや‥俺は敬語じゃなくていいと思う。タメ口の星奈の方が、好き
凪咲:私も!タメ口の方が、友達‥じゃないや。親友感でるしさ
千歳:敬語じゃない方が、楽だ

‥星奈は気づいてないと思うけど、ため口の星奈の方が好きなんて‥前から好きって思ってるみたいじゃないか‥ハズいな…

星奈:皆さん、ありがとうございます!だったら‥これからはタメ口で行きますね?
湊 :うん!
凪咲:じゃあ、プールも楽しもうね!
千歳:また、あさってな


【~夏の特別編~】本編第9話「ついに青春夏休み!」
次回「始発線は終点をしらない」第10話~

Re: 始発線は終点をしらない ( No.12 )
日時: 2022/08/30 20:21
名前: ぷれ (ID: tEZxFcMB)

[挨拶:こんにちは。ぷれです。あまり挨拶はしない琥珀さんと同じタイプ(テメーと一緒にすんじゃねぇ!)ですが、特別編というなんとも素晴らしい感じになっています。僕の住んでいる長野県も、頭のおかしくなるほどの暑さで溶けそうです。ですが、そんなときはラブコメで暑さを吹き飛ばしましょう!僕は燃え尽きますが、皆さんには萌え尽きてほしいので、この四人の恋の行方を楽しんで!]



【夏の特別編】第10話「夏だ!プールだ!水着だぁぁ!!」

プール当日。
俺とと千歳は胸の鼓動を早めていた。楽しみなものは楽しみなのだが、やはり俺らとて思春期、当然緊張することはあるだろう。

「お待たせ~!」
「おう。星奈、凪、咲...」
更衣室から出てきた彼女らを見るなり、俺は言葉を失った。千歳に関しては、赤面してそっぽを向いている。

「どう、かな...?」
星奈は、フリルのついた水着。凪咲はそれの色違いだ。
「ねえ、話聞いてる?」
「...あ、ああ!すごく似合ってるよ!」
「うん!めっちゃ可愛い!」

しまった、と思う俺だったがもう遅い。
星奈は耳まで赤く染め、というか何で赤面してんの?
「やれやれ、星奈ちゃんに湊くんはウブちゃんですなー」
「同感だ」
凪咲はニヤニヤし、千歳は呆れていた。
「そ、そんなこよりもう入ろうよ!」
星奈の提案を、嫌な顔一つもせずに呑み込む。

「それっ!」
「きゃっ!やったねー?」
水が弾ける音が、多方面から聞こえる。
「...なあ、千歳。眼福だな」
「そうだな...ってなに言わすんだ!」
いくらなんでも、思春期の俺たちには眼福というか中々厳しいものがある。それを承知でのこの発言だ。

「そろそろ休憩にしよ?流石に疲れちゃった」
「じゃあ俺たちは飲み物買ってくるよ」
一時間ぶっ通しでは疲れるだろう。俺たちは休憩することにした。
「行ってくるから、待っててくれ」

「うーん、何がいいんだろ...?」
「カル○スでいいだろ。8本買っていこう」
こいつほんと適当だな。

「だからさー、俺の方があいつらより楽しめるよ?」
星奈がDQNに絡まれている現場を発見してしまった。生憎、千歳はタオルを持ちに行ってしまった。
「結構です。私には連れがいるので」
「連れなんていないじゃん。だから、俺とーー」
「俺が連れです」
何とか間に合った。星奈は美人だから、絡まれるのは当然だが、見ていても良いものではない。

「お、お前が?ガキじゃねえか!タッパがあるだけで、童顔じゃねえか!」
「あの、湊くんのことをバカにするのはやめていただいて良いですか?」
星奈は笑っている。だが、それは愛想笑いだとか、そういうものではない。
これは、怒っている。
「い、いやいやこんなガキじゃーー」
「反吐が出ます。聞きたくありません」
「だからーー」
「...失せろ」

低い、星奈が出したとは思えない声が聞こえた。
これが、星奈の怒った姿なのか。
「ちっ、どいつもこいつも...」
ブツブツ言いながら、DQNはどこかへ行ってしまった。
「...ふぅ。良かった~」
「その、星奈。ありがとうな。俺がバカにされているところを庇ってくれて」
星奈はすぐに優しく微笑んだ。
「いえ、大したことないよ。この前のお礼だとでも思って」
「それでも、さ。俺、嬉しかったんだ。他人に俺がバカにされているところを怒ってくれる人がいて」
「私にとって、湊くんは恩人だから...」
恩人という称号は、俺には勿体ないと思った。

「あの。私、湊くんのことがーー」
「ここに居たのか。ほら、飲み物だ」
「っ...うん、ありがとう」
湊くんのあとが遮られ、何を言われたのか分からなかった。
「...なあ、なんて言おうとしたんだ?」
「ううん、何でもない」

結局、教えてくれなかったが、終始凪咲はニヤニヤしていた。何でだろう?
それでも、今日はそんな疑問がどうでもよくなるほど楽しかった。

Re: 始発線は終点をしらない ( No.13 )
日時: 2022/08/31 14:08
名前: 琥珀*@ (ID: GDWSGe53)

【夏の特別編】第11話「どんな時でも楽しく夏を」

「ねぇ、千歳君!」
「…‥‥」
「さっきから、無言は辞めてよ~」

私、凪咲。今は親友の4人でプールに来てるんだ。
‥‥でもね。私が密かに好意を寄せている相手、千歳君が元気がないみたいなんだよ

「‥‥しんどい?しばらく休憩しよっか!」
私は千歳君を休憩スペースに連れて行って、休ませてあげた。

「お~い!凪咲ちゃん、千歳君!」
「凪咲!千歳!ココにいたのか!」

私の親友の二人、星奈ちゃんと湊君が運よくなのか、運悪くなのか来てくれた。
もう少し、二人きりでいたかったけど‥無理だよね。

「千歳君が具合が悪いと聞いて、飲み物を買ってきたよ。普通の水だけど」
そう言って、星奈ちゃんが少し濡れた手で水を渡してくれた。

「あ、ありがとう!わざわざ来てくれて‥」
「ううん。大丈夫だよ‥‥それより、千歳君は寝てしまったんだけど?」
「ホントだ。千歳寝てるな‥‥笑える!しばらく寝かすかー」

本当に、千歳君寝てる‥‥寝顔もカッコイイな。
は~あ。やっぱり千歳君のことが好きだよ‥‥

「でも、ココに一人で置いとくってわけにはいかないぞ?誰か見とかなきゃ」
湊君がそう言った。

「だったら、私も疲れたし見ておくよ。二人は…二人きりで楽しんでね!」
二人は一瞬、とまどった顔をしたけど…直ぐに笑顔で「ありがとう」と言いながら言ってしまった。

「次は、アナタたちだからね」
星奈ちゃんが、そう言ったのを…私は気づいて無かった。


「ん……?」
「あ、起きた?千歳君。」
「俺は、寝てたのか‥?」
「ふふ‥そうだよ~」

千歳君は、「えっ!?」って顔してた‥なんかその顔もカッコイイ。
でも、顔じゃなくて性格もいいからやっぱり好きだよ‥

「どうした、凪咲?」
「あっ、ゴメンね‥考え事してただけだよ」

つい、浮かれてしまった‥

「そうか?ならいいが…」
「じゃあ、起きたところでプールに戻ろっか!」
「ああ。湊たちはどこだ?」


…できれば、「2人きり」で遊びたいなぁ

「湊君とこじゃなくて、たまには…2人きりで遊んでみない?」
小声で、「嫌だったらいいけど‥」って言ったけど、気づいていないみたいだな

「…………ああ。いいよ」

それで、私たちは湊君と凪咲ちゃんとは反対方向のウォータースライダーで思いっきり遊んだよ。
すごく楽しかったな~

それで‥千歳君がウォータスライダーの時、何か言ってたけど‥うまく聞き取れなかった。

確か、
「俺は‥‥が‥‥‥だ」
って言ってたんだ。なんなんだろうね‥‥
今日も楽しんだし、帰って早く寝ようかな。

次は、予定は何もないんだ。
いつか、会えるといいな‥‥みんなに。千歳君に。
夏休みの間、またいつか。

Re: 始発線は終点をしらない ( No.14 )
日時: 2022/08/31 16:42
名前: ぷれ (ID: tEZxFcMB)

【夏の特別編】第12話「夏祭りがゆえ」

俺、湊は夏祭り前日でとてもワクワクしている。年に一度の大イベントなのだから。
俺はいてもたってもいられなくなり、コンビニに行った。

「いらっしゃっせ~」
店内に入ると、芯の抜けたような店員の声が耳に入る。
何かを買いに来たわけではないが、入ってしまったものは仕方ない。買って帰るとしよう。
「...ん?凪咲じゃないか」

雑誌コーナーを見ていたのは、紛れもない凪咲だった。
「湊くん?どうしてここに?」
「いや、俺はちょっと明日が楽しみで、いてもたってもいられなくなっちゃって...」
「私もそうなんだ。楽しみで仕方がないよ」
すると凪咲はファッション雑誌を手に取り、レジへ向かおうとした。

「じゃあね湊くん」
「ああ、じゃあな」
凪咲は会計を済ませ、帰宅してしまった。
俺も、飲み物を一本買って家に帰った。

「ん...?凪咲からグループのメッセが来てる」
スマホのロックを解除し、メッセージを開く。

凪咲:明日はコンビニに7時50分に集合ね?私と千歳くんは5分前に集合
千歳:分かった
湊:OK!楽しみだなぁ
星奈:そうだね。じゃあ、また明日

相も変わらず、千歳の返事は素っ気ない。
「星奈...」
不意に口にした、意中の相手の名前。何か意図があったわけではない。
どうして、こんなにも彼女のことを思ってしまうのだろう。

当日。
時間通りに来たが、千歳と凪咲の姿が見当たらない。
すると、凪咲からの個人でのメッセージが入った。

凪咲:星奈ちゃんをよろしくね

これが一体何を示しているのか。
「お待たせ~」
スマホから顔を上げると、浴衣姿の星奈が立っていた。髪も結っており、とても可愛らしかった。
「どう、かな...?」
「その、すごく似合ってる」
星奈は千歳と凪咲のことは言わずに、嬉しそうに笑った。二人の事情を知っているのだろう、という自己解決になった。

「そう?ありがとう!じゃ、行こう?」
「あ、ああ」
とは言っても、花火までの時間がない。集合時間の設定もあったのだろうが、走らないと間に合わない。
「星奈、走ろう!花火まで間に合わない!」
「うん!」
星奈はそれでも下駄だ。いくら運動神経が良かろうが、走りにくいことに変わりはない。
そんな心配も束の間、案の定転んでしまった。

「大丈夫か!?」
「ちょっと、無理...」
足を見る。恐らく捻挫だろう。
しかし、彼女が捻挫で走れるはずがない。ならばーー
「星奈、しっかり掴まってろよ」
おんぶだ。これなら、花火までに間に合う。
「...ごめん、湊くん」
「いいって。走らせた俺も悪かった」
そう思いながら、必死に走ることだけを考えた。

「ぜえ、ぜえ...何とか、間に合った...!」
俺たちがついた頃には、ちょうど始まるときだった。
俺は安堵して、星奈を降ろす。
「...綺麗だね」
「そうだな...本当に綺麗だよ」
しばらくの沈黙。聞こえるのは、人々の会話と花火の轟音だけ。
「ねえ、こっち向いて」
沈黙を突き破った星奈は、要求する。
俺が従うと、顔をガシッと掴んで一瞬で自分の顔にくっつける。

「んむっ...」
何が起こっているのか、分かっていながら理解することを脳は拒んでいた。
「ぷはぁ!...私のファーストキス、どうだった?」
ファーストキス、ようやく理解した。俺は、接吻をしたのだと。
一気に顔が熱くなる。羞恥心に駆られ、彼女を直視できない。
「...私、湊くんのこと大好きだよ」
声すらも、花火の音すらも遠くに聞こえる。
俺は、現実逃避を始めていた。

Re: 始発線は終点をしらない ( No.15 )
日時: 2022/08/31 19:42
名前: 琥珀*@ (ID: GDWSGe53)

【夏の特別編】第13話「あなたとなら何処までも」


「ねぇ、千歳君」
「なんだ」

相変わらず、そっけない返事をする千歳君。でも、性格も見た目も全部良いんだ。
ひねくれてるけど、実は友達思いな優しい人。

{私は__そんな千歳君が大好きです}
そう、言いたいけど言えないんだ。
どうしてだろうね。覚悟はしてたんだけど

「どうかしたのか。凪咲」
「ううん…呼んでみただけ」

ああ、この私のいじくなし!伝えたいのに、伝えれないよ!

「湊と星奈は、今頃どうしてるだろうな」
いきなり、千歳君が話を振って来た

「ああ…あの2人だね。きっと『上手くいってる』と思うよ」
『上手くいってる』ってところを強調して私は言った。

「そうか。それならいい」
「千歳君、もうやめよ?」
「……どういうことだ?」

私、思わず本音を言っちゃった。
千歳君が実は__

「千歳君。隠してても無駄だよ?私にはわかるんだもん」
「だから、何の話だ?」
「そうやってさ、ひねくれてるじゃん。強がってるけど‥そういうの、もうやめようよ」

千歳君は、一瞬ビックリした顔になった‥
図星かな。
私はもう、後悔しない。今から私がこの恋のけじめをつける!

「強がってるところ、カッコよかったよ?前さ、誰かしらない人になんかされたじゃん。その時、助けてくれた。私、とっても嬉しかったよ。」
千歳君は、黙って話を聞いている。

「だけど、そんな時でも強がってた。なんでだろうね。湊君や星奈ちゃん。私は普通でいるのに
だからさぁ‥もう、強がるのはやめようよ。ひねくれるのも、やめよ‥」

私は、ぼんやりした顔でそう言った。

「私は、千歳君のことが__」
「凪咲、付き合ってくれないか?」

いきなり、そう言われて、戸惑った私。

「えっ‥‥」
「お前が、俺のことを好きってことは実は分かってた。まさかな‥とは思っていたけどな」
「わ、分かってたの!?」
「ああ。で、俺も好きだった‥だから、いつか俺が告らなきゃって思ったんだ。
今、お前は俺に告ろうとしただろ?だから、自分からやらなきゃって、思ってさ‥」

そう語る千歳君の頬は赤い。恥ずかしがってるみたい。

「うん…付き合って、いいよ」
私は、嬉しくて泣きそうで。でも、涙をこらえてそう答えた。

「ありがとう。凪咲!」

…今まで一番の笑顔で、やんちゃなカッコいい笑顔で、千歳君は答えてくれた。
その時…最後の花火がなったことを、今日は「いい日」だな。って思えました。



「こちらこそ、ありがとう。アナタには何処までもついていけるよ!」
「これから、宜しくな…凪咲」

Re: 始発線は終点をしらない ( No.16 )
日時: 2022/08/31 20:40
名前: ぷれ (ID: tEZxFcMB)

【夏の特別編】第14話「後日談は二人だけ」

私、星奈は今とても後悔している。
「なんて、大胆なことを...」
湊くんに、接吻をしてしまったのだから。
きっと、気が狂っていただけ。そう、私の思考がおかしかっただけ...。

「~!!!」
やっぱダメ!鮮明に覚えているし、唇も覚えている。
「星奈、遊びにきたよ?」
「っ!?うん、今行く!」
なんてタイミングが悪いのだろう。忘れていた、湊くんが家に遊びにくることを。
「お邪魔しまーす...」
「じゃあ、私の部屋で待ってて」

私は部屋から出た。
「~~~!!」
ヤバい、本当にヤバい。恥ずかしくて死にそう。
私は深呼吸をして、飲み物を持って部屋に入った。
「お待たせ」
「え?あ、いやそんなことないよ」
向こうも恥ずかしいんだ。何だか、そっぽ向いてる湊くん、可愛い。
それでも、会話は続かず、ついには沈黙が生まれた。
気まずい、非常に気まずい。

「あのさ、星奈。その、昨日のことーー」
「いやぁぁぁぁぁぁ!!」
あ、叫んじゃった。私としたことが、取り乱してしまった。
「星奈、落ち着いて!」
ぎゅっ、と湊くんは私を包み込んだ。微かに香る、柔軟剤に混じった太陽のような匂いが、私の思考を落ち着かせる。
それから、私の頭を撫でた。優しく。
「星奈、大丈夫だから。きっと、俺とお前は同じ気持ちだから」
「っ!?湊くん、もしかして恥ずかしいの?」
体をビクッと震わせて、またしてもそっぽ向いてしまった。

「う、うるさいなあ!しょうがないだろ、好きな人と同じ空間にいるんだから」
好きな人。私を、好きな人と認識してくれている。
どこまでも、優しくて、真面目で、素直で、ドジだけど...。私は、カッコよくて、自分の利益なんて考えずにこなしてしまう、そんな彼が大好きだ。
「...星奈、きちんと言わせてくれ」
私は覚悟を決めた。
「俺は、お前を幸せにしたい。どんなときだって、俺はお前を幸せにできるなら、それでいい。星奈、俺とーー」
「待って!私は湊くんと付き合いたい。一緒に、湊くんと同じ道を歩きたい!」

言い切った。私の全てを、彼にぶつけた。
「グスッ...俺なんかでいいのなら、よろこんで!」
彼は泣いて笑っていた。私もつられて泣いた。
それで、彼の胸に飛び込む。冷たくて気持ちいい彼の手のひらが、私の頭を撫でる。

もう、私は頑張らなくていいんだ。足りないところは、私がカバーする。でも、それじゃあ頑張らなきゃだよね。
私、もう少し頑張って、そのあとは湊くんに甘えよう。

Re: 始発線は終点をしらない ( No.17 )
日時: 2022/09/01 13:16
名前: 琥珀*@ (ID: GDWSGe53)

【夏の特別編】(最終話)第15話「終わりの次は、仲間たちの」


「じゃあ、そっちも上手くいったんだな!」
俺は湊。ついさっき…星奈と付き合った。

「う、うん…付き合うことになって」
「凪咲から告白してきたけどな…」

相変わらず、正反対コンビなカップルなので、上手くいくかどうかが心配だ。

「…………ああ。私はなんてことをやらかしたんだろ‥‥」
星奈は、俺にした‥キス‥のことを後悔しているらしいんだ

「どうしたの、星奈ちゃん。やらかしたってどういうこと?」
凪咲が聞いたら、星奈はいっきに顔が赤く染まって

「なななななんでもないよ!ねぇ、湊くん‥‥」
「そうだったか?というか、俺は全部話すつもりだ」
「裏切者。」
ボソッと星奈が言ったが、俺は気づかないフリをした

「実はな、星奈が俺にキスをしてきたんだ‥‥」
「やるねぇ。星奈ちゃん」
「性格と反した行動力を尊敬。」

ニヤニヤした顔で言う凪咲と、成る程な。って顔で笑う千歳。

「なんか、その言い方ムカつくんだけど。二人とも」
星奈が激怒しそうだ‥‥こいつ、怒ったら終わるんだよな。

「どいつもこいつも‥‥」
「スト~っプ!星奈!大丈夫、こいつらからかってないから大丈夫だって!」
「え‥‥そうなの?早とちりしちゃった‥ゴメンね」

ホントは、からかってるけどな‥‥まぁいいや!

「なぁみんな、聞いてくれ。俺ら4人は自分たちの恋愛が終わったんだろ。だったら、次の答えは決まってるよなぁ!」
「もちろんだよ。湊君。」
「ああ。俺らが終わったからな」
「答え?そりゃ、決まってるよ!」

約束でもないのに、俺ら四人は不思議と同じことを言った。

「「「「次は、私の__俺らの__友達の『恋愛』を成功させる」」」」




【琥珀から】
夏の特別編が終わりました。独自判断ではありますが、次は4人の友達の恋愛を応援していく‥‥的なのを書いてみたいな‥‥なんて思ってます!もしかしたら、そんなことは叶わないかもですが、いつか書いてみたいです。次は、夏ではなく夏休み明けの本編16話からです。
次回もお楽しみにしていてくださいね!