コメディ・ライト小説(新)

Re: 始発線は終点をしらない ( No.12 )
日時: 2022/08/30 20:21
名前: ぷれ (ID: tEZxFcMB)

[挨拶:こんにちは。ぷれです。あまり挨拶はしない琥珀さんと同じタイプ(テメーと一緒にすんじゃねぇ!)ですが、特別編というなんとも素晴らしい感じになっています。僕の住んでいる長野県も、頭のおかしくなるほどの暑さで溶けそうです。ですが、そんなときはラブコメで暑さを吹き飛ばしましょう!僕は燃え尽きますが、皆さんには萌え尽きてほしいので、この四人の恋の行方を楽しんで!]



【夏の特別編】第10話「夏だ!プールだ!水着だぁぁ!!」

プール当日。
俺とと千歳は胸の鼓動を早めていた。楽しみなものは楽しみなのだが、やはり俺らとて思春期、当然緊張することはあるだろう。

「お待たせ~!」
「おう。星奈、凪、咲...」
更衣室から出てきた彼女らを見るなり、俺は言葉を失った。千歳に関しては、赤面してそっぽを向いている。

「どう、かな...?」
星奈は、フリルのついた水着。凪咲はそれの色違いだ。
「ねえ、話聞いてる?」
「...あ、ああ!すごく似合ってるよ!」
「うん!めっちゃ可愛い!」

しまった、と思う俺だったがもう遅い。
星奈は耳まで赤く染め、というか何で赤面してんの?
「やれやれ、星奈ちゃんに湊くんはウブちゃんですなー」
「同感だ」
凪咲はニヤニヤし、千歳は呆れていた。
「そ、そんなこよりもう入ろうよ!」
星奈の提案を、嫌な顔一つもせずに呑み込む。

「それっ!」
「きゃっ!やったねー?」
水が弾ける音が、多方面から聞こえる。
「...なあ、千歳。眼福だな」
「そうだな...ってなに言わすんだ!」
いくらなんでも、思春期の俺たちには眼福というか中々厳しいものがある。それを承知でのこの発言だ。

「そろそろ休憩にしよ?流石に疲れちゃった」
「じゃあ俺たちは飲み物買ってくるよ」
一時間ぶっ通しでは疲れるだろう。俺たちは休憩することにした。
「行ってくるから、待っててくれ」

「うーん、何がいいんだろ...?」
「カル○スでいいだろ。8本買っていこう」
こいつほんと適当だな。

「だからさー、俺の方があいつらより楽しめるよ?」
星奈がDQNに絡まれている現場を発見してしまった。生憎、千歳はタオルを持ちに行ってしまった。
「結構です。私には連れがいるので」
「連れなんていないじゃん。だから、俺とーー」
「俺が連れです」
何とか間に合った。星奈は美人だから、絡まれるのは当然だが、見ていても良いものではない。

「お、お前が?ガキじゃねえか!タッパがあるだけで、童顔じゃねえか!」
「あの、湊くんのことをバカにするのはやめていただいて良いですか?」
星奈は笑っている。だが、それは愛想笑いだとか、そういうものではない。
これは、怒っている。
「い、いやいやこんなガキじゃーー」
「反吐が出ます。聞きたくありません」
「だからーー」
「...失せろ」

低い、星奈が出したとは思えない声が聞こえた。
これが、星奈の怒った姿なのか。
「ちっ、どいつもこいつも...」
ブツブツ言いながら、DQNはどこかへ行ってしまった。
「...ふぅ。良かった~」
「その、星奈。ありがとうな。俺がバカにされているところを庇ってくれて」
星奈はすぐに優しく微笑んだ。
「いえ、大したことないよ。この前のお礼だとでも思って」
「それでも、さ。俺、嬉しかったんだ。他人に俺がバカにされているところを怒ってくれる人がいて」
「私にとって、湊くんは恩人だから...」
恩人という称号は、俺には勿体ないと思った。

「あの。私、湊くんのことがーー」
「ここに居たのか。ほら、飲み物だ」
「っ...うん、ありがとう」
湊くんのあとが遮られ、何を言われたのか分からなかった。
「...なあ、なんて言おうとしたんだ?」
「ううん、何でもない」

結局、教えてくれなかったが、終始凪咲はニヤニヤしていた。何でだろう?
それでも、今日はそんな疑問がどうでもよくなるほど楽しかった。