コメディ・ライト小説(新)

Re: 始発線は終点をしらない ( No.15 )
日時: 2022/08/31 19:42
名前: 琥珀*@ (ID: GDWSGe53)

【夏の特別編】第13話「あなたとなら何処までも」


「ねぇ、千歳君」
「なんだ」

相変わらず、そっけない返事をする千歳君。でも、性格も見た目も全部良いんだ。
ひねくれてるけど、実は友達思いな優しい人。

{私は__そんな千歳君が大好きです}
そう、言いたいけど言えないんだ。
どうしてだろうね。覚悟はしてたんだけど

「どうかしたのか。凪咲」
「ううん…呼んでみただけ」

ああ、この私のいじくなし!伝えたいのに、伝えれないよ!

「湊と星奈は、今頃どうしてるだろうな」
いきなり、千歳君が話を振って来た

「ああ…あの2人だね。きっと『上手くいってる』と思うよ」
『上手くいってる』ってところを強調して私は言った。

「そうか。それならいい」
「千歳君、もうやめよ?」
「……どういうことだ?」

私、思わず本音を言っちゃった。
千歳君が実は__

「千歳君。隠してても無駄だよ?私にはわかるんだもん」
「だから、何の話だ?」
「そうやってさ、ひねくれてるじゃん。強がってるけど‥そういうの、もうやめようよ」

千歳君は、一瞬ビックリした顔になった‥
図星かな。
私はもう、後悔しない。今から私がこの恋のけじめをつける!

「強がってるところ、カッコよかったよ?前さ、誰かしらない人になんかされたじゃん。その時、助けてくれた。私、とっても嬉しかったよ。」
千歳君は、黙って話を聞いている。

「だけど、そんな時でも強がってた。なんでだろうね。湊君や星奈ちゃん。私は普通でいるのに
だからさぁ‥もう、強がるのはやめようよ。ひねくれるのも、やめよ‥」

私は、ぼんやりした顔でそう言った。

「私は、千歳君のことが__」
「凪咲、付き合ってくれないか?」

いきなり、そう言われて、戸惑った私。

「えっ‥‥」
「お前が、俺のことを好きってことは実は分かってた。まさかな‥とは思っていたけどな」
「わ、分かってたの!?」
「ああ。で、俺も好きだった‥だから、いつか俺が告らなきゃって思ったんだ。
今、お前は俺に告ろうとしただろ?だから、自分からやらなきゃって、思ってさ‥」

そう語る千歳君の頬は赤い。恥ずかしがってるみたい。

「うん…付き合って、いいよ」
私は、嬉しくて泣きそうで。でも、涙をこらえてそう答えた。

「ありがとう。凪咲!」

…今まで一番の笑顔で、やんちゃなカッコいい笑顔で、千歳君は答えてくれた。
その時…最後の花火がなったことを、今日は「いい日」だな。って思えました。



「こちらこそ、ありがとう。アナタには何処までもついていけるよ!」
「これから、宜しくな…凪咲」