コメディ・ライト小説(新)
- Re: 始発線は終点をしらない ( No.34 )
- 日時: 2022/09/08 18:10
- 名前: ぷれ (ID: tEZxFcMB)
第34話「新クラスは平和です」
俺は湊。
つい先日、クラス替えがあり、見事に6人全員同じクラスとなった。
これといって、事件も起きず素晴らしいクラスだ。
「あの、アルトくん...。その、私アルトくんのことが!...ヒッ!?」
「ごめんなさい、私はアルトくんの奥さんなの。だからごめんね~?」
「ちょっ、美央!まだ結婚してないし!というか目が怖いよ!?」
...平和?うん、平和。
あの二人は美男美女のカップルとして、学校中に知れ渡っている、訳ではなく割りと知られていない。だから、こういうこともしばしば。
美央は度重なる見ず知らずの女子からのアルトへの告白で、ああなってしまった。
「千歳くん、だーいすき♪」
「お、俺も...」
千歳は、凪咲からの大好きコールの影響で全体的に疲れている。
凪咲に悪意なんて無いのだけれど、こう見ていると千歳が可哀想に思えてくる。
そして俺たちはというと...
「湊くん、ネクタイ曲がってるよ?」
「え?ああ、ごめん」
「直すから、じっとしてて」
いたって普通である。基準はよく分からないが、あの二組に比べたらまともな方だと思っている。
よく、色んな人に夫婦みたいと言われるが、そうだろうか。阿吽の呼吸とかもよく言われる。
「よし、直った」
「サンキュ」
「いいってことよ」
星奈は以前にも増して、男勝りな口調になってきたような気がする。
まあ、俺に皮を被らない姿を見せてくれているということだろう。
「はい、じゃあ今日は____」
現在は数学の授業中だ。
正直、全く分からない。別に全てが分からないわけではない、ただ公式の当てはめ方が分からない。
「...なぁ、星奈。教えてくれ」
「え?まあ、良いけど...」
しかし、俺には彼女であり家庭教師の星奈が居る。
先生の授業よりも分かりやすく、星奈のお陰でテストは50点も上がったのだ。
「ここに、この公式を当てはめるんだけど、こっちと間違えやすいから気をつけてね」
「ああ、分かりやすいよ」
「ふふっ。そう?」
「もちろんさ」
授業が終わり、休み時間。
終始、先生がこちらを見ていた気がするが、気のせいだろう。