コメディ・ライト小説(新)

Re: 始発線は終点をしらない ( No.38 )
日時: 2022/09/09 20:39
名前: ぷれ (ID: tEZxFcMB)

第38話「イケメンたちの苦悩」

俺は千歳だ。
ここ最近は転校生の奏が来たお陰で、俺たちはより賑やかな日々を送っている。

「千歳、帰ろうぜ」
「む、もうそんな時間か」
「そんな時間というか、みんな先に帰っちゃったよ。千歳はずっと寝てたじゃないか」

アルトからの注意で、俺は寝ていたことを自覚した。

「全く、凪咲が起こしても全然起きなかったし」
「千歳、居眠り魔だな」
「うるさい赤点ギリギリ男」
「なっ!?赤点ギリギリなのはお前もだろ!?」
「はいはい帰るよ」


どれくらい寝ていたのか知らないが、すでに校門から出る生徒は居なかった。
女性陣は先に帰ってしまったのだろう。

「そういえばアルトは美央とはどんな感じなんだ?」
「どんな感じって...」
「最近の二人の関係について訊いてるんじゃないか?」
「ああ、そういう...。最近は結構いい感じだよ?でも...」

アルトは言葉を濁した。
気になった湊が、アルトに追及する。

「もったいぶらずに言えよ」
「わ、分かったよ...。最近、美央の束縛が強いんだ」
「なるほどな...」

思わず可哀想だと思ってしまった。
俺も悩みを抱える人間として、少し共感できる。

「俺も、凪咲が学校でもくっついてきて周りからの視線が痛い」
「まあ、千歳イケメンだし。凪咲も可愛いし。仕方ないよな」
「そういうものなのか...」
「そういうものだよ」

アルトと美央の方がその理論でいくと、視線が痛いと思うのだが。

「そういえば、湊の方はどうなんだよ」
「俺?俺は普通かな」
「お前たちが一番普通じゃないと思うのだが」
「千歳と同意見だ。夫婦みたいで、他の人たちにはできないような阿吽の呼吸のようなコンビネーションだよ」

その通りだ。
この前、体育でバドミントンのダブルスの試合をやったのだが、結局その二人に手出しができずに負けていくペアが多かった。唯一、アルトと美央のペアが1セット取っただけだ。
元々、二人の運動能力が高いため、阿吽の呼吸が加われば右に出る者は居ないだろう。

「バドミントンは無双状態だったからね。先生も唖然としてたよ」
「あれは星奈が頑張ったからだよ」
((やっぱり夫婦だ))

そのあとも、俺たちの会話は止むことは無かった。