コメディ・ライト小説(新)

Re: 始発線は終点をしらない ( No.46 )
日時: 2022/09/12 18:08
名前: ぷれ (ID: tEZxFcMB)

第46話「何かありそうなお泊まり会」

私は凪咲。今、星奈ちゃんの家に居るの。

「よっしゃ!上がり~」

今はババ抜きをしているのだけれど、湊くんの3連勝中。千歳くんの勘でも勝てないなんて、湊くん恐るべし。
すると、アルトくんが羨ましそうに言った。

「湊、すごいなー。運が良いんだな」
「まあな」
「運以外なにもないくせに...った!?お前、踏みやがったな!?」
「エ、ナンノコトカナー」
「はいはい、やるよ」

全く、この二人は仲が良いのか悪いのか。もはやアルトくんが保護者に見えてくるよ。
そんなことをしている内に、日が傾き始めた。

「あ、そうだ。実はこの近くに、心霊スポットがあるの」
「...」
「湊、ビビってんのか?」
「は、はぁ!?びびってねえし!?」
「はいはい。で、そこはかつて自殺の名所だったの。今夜、行かない?」

星奈ちゃん、やっぱりまともなこと言わないな。
とはいえ、肝試しとしては最適だろう。まだ暑いし。

「そこの後ろの橋なんだけど、昔から自殺者が後を断たなくて、有刺鉄線のついてる柵もできたのに自殺者が多かったの。...あくまで噂だけどね」
「う、噂かぁ~...。ビビらせるなよ」
「ビビってんじゃん」
「でも、本当に行くんですか?」

星奈ちゃんは、返事こそしなかったけど行く気満々だ。千歳くんは真顔だし、湊くんは足震えてるし、アルトくんは苦笑いしてるし。
正直、私も怖い。どうしてこんなことになっちゃったんだろう。

「アルトくんアルトくんアルトくんアルトくんアルトくんアルトくんアルトくんアルトくん」
「美央ちゃん?...ダメだこりゃ」
「俺は幽霊より、自分の彼女の方が怖いよ」
「ツッコミ要員が減ってきてますね...」
「最終的にアルトが残るから、安心しろ」

千歳くん、安心できないよ。