コメディ・ライト小説(新)

Re: 始発線は終点をしらない ( No.61 )
日時: 2022/09/21 19:45
名前: らる@羅瑠 (ID: GDWSGe53)

第61話「初めての負けの味」

私は星奈。
経った今‥奏ちゃんと蒼李君コンビに、ボウリング対決で負けてしまったわ‥!

「あーあ…負けちゃった。ゴメンね。湊君」
「別にいいだろ。星奈こそ、たまには負けることあるだろ」

その問いに答えずに、私は奏ちゃんと蒼李君のところへ歩み寄った。

「2人とも、流石プロ級ね。負けるのは当たり前かもしれないわ」
「ううん。星奈ちゃんも強かった!最高の勝負‥でした」
「そうだな。俺も本気を出してしまったよ」

2人と会えてよかったな‥って今更思う。
でも、なんで倒れなかったんだろうな。私の計算では絶対に倒れる計算なのに。しくじった?

「でも‥俺は負けるのは久々だな」
「私も。いつも絶対誰だろうが勝ってたから」

…………あの2人が負けたことがある‥?

「嘘‥でしょ」
「星奈?どうかしたか!?」
「‥ううん、湊君。何もないよ‥」

「嘘」と思うけどこれは真実。

「じゃあ、そろそろ帰ろうか!」
「そうだな、奏。楽しかったぞ」
「ええ‥私も楽しかったわ!」
「今までにない最高の勝負だなっ」

そうして、笑顔でみんな帰って行ったけど‥

「星奈、さっきの問いの答えは何だ?」
「気になるよ。星奈ちゃん」
「様子がおかしいぞ?」

ああ…あのことだね。

「私ね‥テストの点数とか、運動系の勝負。学園祭の時もさ、ちゃんと景品とったじゃない」
「確かにな。わからないところは教えてくれたり、運動神経抜群で‥学園祭もほとんど星奈がやってた」
「天才の本気かもね」
「同感だ」

‥ありがとう。

「負けるの、初めてなの」




「‥‥‥えっ」
「だから、ボウリングで負けるのも全部含めて初めてだよ」

この初めての負けの感じ方は、やっぱり‥悔しいけど嬉しい気持でもあったな。