プロローグ「失礼しますお願いしま~す」音楽室に一つだけ、府抜けた声が響く。譜面台を立てて、楽器を組み立てる。今日も一つだけ、バリトンサックスの音が部屋いっぱいに響いた。「誰も、来ないか」誰も来ない。待っても、誰も。