コメディ・ライト小説(新)
- Re: ファイティン・ラブ!〜彼氏は推しでした〜 ( No.10 )
- 日時: 2022/11/08 05:59
- 名前: ほのみん (ID: TaHLTR3K)
(第六話)
「もうすぐ夏休みだね〜」
特進クラスには、そんなムードが流れ出していた。
夏休みといっても、ほとんどの子は塾だったり、学校の特別講習だったりで予定が埋まっていて、遊べるのは、ほんの何日か。
だけど、みんな限られた青春を満喫しようとするのだ。
もちろん、私もひっそりとはしているがその部類である。
と言っても、あと1ヶ月。
まだ、特別講習の予定すら発表されていない。
昼休み。
屋上でいつものようにランチ。
「今年の夏休みは何しようか〜」
と杏ちゃん。
「旅行もいいけど、特別講習もあるからね」
と陽花ちゃんはウキウキしている。
「原宿とか、遊びに行くのも良くない?」
と私が提案すると、
「いいね!」
と乗ってきた。
「3年生になったら忙しくなりそうだし、遊ぶなら今かな」
と杏ちゃん。
確かに、勉強も、遊びもメリハリつけて頑張りたいよね。
杏ちゃんの気持ち、分かるな〜。
「あ、そうだ!花火大会も行こうか!」
とネットで調べていた陽花ちゃんが、提案してくれる。
「いいね!花火大会。でもさ〜、やっぱり彼氏ほしいよ」
と杏ちゃん。
この3人、彼氏いない歴17年。
「ねぇねぇ、そういえば…朗報かわかんない朗報、あるよ」
私が切り出すと、すごい勢いで「何!?」と食いついてきた。
「杏ちゃんも陽花ちゃんもさ、上杉謙信とか直江兼続が来たらいいのにって言ってたじゃん」
「うんうん」
「それ、政宗くんのいとこ」
「は!?」
「政宗くんのいとこたちさ、私の隣住んでたんだけど、上杉謙信も直江兼続もちゃんといたよ」
「うそーー!!」
「さらに、謙信くんはB組の転入生」
「マジで言ってる?」
「本当にそうだよ!っていうか後でB組覗いてみなよ。絶対いるってば」
「じゃあ後で行こー!」
と杏ちゃん。
「でも兼続さんは?」
と陽花ちゃん。
「兼続くんは、セントラル高校行ってるみたい」
「セントラル高校って、沙絵ちゃんが行ってるところか〜。そこそこ頭いいらしいじゃん」
「でも隣に住んでるっていいな〜」
と杏ちゃん。
「あ、あと信長くんは星川の卒業生」
「信長って、あの織田信長!?」
「そうだよ!すごくない!?」
「いいな〜。会ってみたいな〜!」
と陽花ちゃんは興味津々。
「う〜ん、会おうと思えば会えると思うよ」
「ほんと!?」
「今度聞いてみるね」
ってところで終了。
「政宗くん、政宗くん」
放課後、話しかけてみた。
「何?どうしたの?」
「謙信くんって新潟から来たばっかだったんですね」
「そうそう。ちょうどおんなじタイミングだったんだよ!っていうか、それがどうかした?」
「いや〜、別に……。なんとなく、びっくりしたので」
「そうかな……?あれ?スマホ鳴ってない?」
あ、ホントだ!
陽花ちゃんから電話。
「もしもし?」
「みーちゃん、聞いて!私副委員長に告られたんだけど!」
「えーーー!?ほんとに!?」
「本当だよ!さっき、体育館裏に呼び出されてね、告られたの!返事は保留にしておいたけど」
「副委員長ってあの三浦くん?」
三浦くんってのは、特進クラスのクラスメイト。
女子のあこがれの的です!
「うん!」
「あの高スペック男子に告られるなんて陽花ちゃんスゴい!で、返事は?」
「実はね……私、三浦くんのこと好きだったから、オッケーしようかなって」
「え〜、すごい!ドラマみたいなこと、ありえるんだね」
「うん!だから、みーちゃんも、頑張りなよ」
「わかった!またゆっくり話聞かせて」
「またね〜」
「なんだった?」
「友達からです!告白されたんですって!」
「わ〜、おめでたいね」
「彼氏いない歴17年の仲間だったのに・・・。なんだか取り残された気分です」
「そんなこと言わなくたって人生まだこれからでしょ」
「だって彼氏いたら楽しそうじゃないですか〜。特に夏とか」
「あ〜、青春ってやつ?」
「そうです!」
政宗くんは気がつけば、何でも相談できる仲になっていた。
よく家にお邪魔したり、一緒に勉強したり。
『学級委員長』と『転入生』からいつの間にか距離が縮まっていた。
そしてある時、気づいた。
私、政宗くんのこと、好きだ。
❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏❏
(あとがき)
こんにちは。
ほのみんです。
ついに閲覧200回突破です!
ありがとうございます。
ついに、やっと、恋愛要素出てきました。
戦国武将そっくりのエリート男子×戦国オタクエリート女子のエリート×エリートラブコメを、今後もぜひお楽しみください!
第七話もお楽しみに!
(次回予告)
『好き』とは何なのか____?
『恋愛』について学ぶことにした美織。
その恋の辿り着く結末とは!?
第七話もお楽しみに!