コメディ・ライト小説(新)
- Re: ファイティン・ラブ!〜彼氏は推しでした〜 ( No.14 )
- 日時: 2022/11/22 07:01
- 名前: ほのみん (ID: EabzOxcq)
(第九話(1))
小4のあの時から、今でも時々、見る夢がある。
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小4のある日、私は図書館に向かうために、自宅のマンションを出て、商店街の通りを歩いていた。
なんとそこで不良に絡まれてしまったのである。
「ねーねー、ちょっとこっち来ない?」
明らかに怪しいのである。
きっとこの人達は人生の正しい道を踏み外してしまったんだろうな、と思いながら手を振り解く。
「いいから、こっち来てってば」
「今忙しいので」
「いいから、こっち来い」
「やめてください!」
強引に腕を掴まれてしまった。
「やめてください!」
何回も言っているのに、なかなか腕を離そうとしない。
しつこい奴だな。
どうしよう、このままだと誘拐されちゃう!?
元々人通りの少ない道だから気をつけるようにはしてたんだけど。
「ちょっと何してるんですか」
私が顔を上げると、同い年ぐらいの1人の少年が立っていた。
「やめてって抵抗してるでしょ」
「んあ?喧嘩売ってんのか?」
「はいはい、そうですよ、喧嘩売ってますよ~。買いますか?」
やばい、このままだと喧嘩になっちゃう!
不良たちが、男の子に注目してる!
よし、今だ!
私は、腕を振りほどくと、不良の後ろに回り、不良を倒した。
ただ、あと何人かが生き残ってる。
「おい、何してくれてんだ、ガキ!」
「あなた達は日本語がわからないんですか?」
「んぁ?」
「日本語がわかんないのかって聞いてんだよ」
「わかるわ!なめてんのか」
まずい!
喧嘩になっちゃうよ~。
ちょうどいい感じのロープがなぜか落ちていたのでそれで不良の1人の腕を縛る。
早く警察に通報しなきゃ!
携帯を開いて、電話アプリを開く。
不良かなり怒ってるみたい。
早くしなきゃ・・・
「事件ですか、事故ですか」
「じ、事件だと思います!」
「詳細を教えて頂けますか」
「えっと・・・図書館に行く途中に、不良に絡まれて、誘拐されそうになったんですけど・・・、それで小学生の男の子が、助けてくれたは良いんですけど・・・喧嘩になっちゃって」
「つまり、暴行事件、誘拐未遂ですね」
「そうです!早く来てください」
「あなたの携帯の位置情報から住所を特定しました。パトカーを向かわせますね」
「ありがとうございます!」
とは言っても、警察の平均到着時間は7〜8分。
それまでにどうにかしなきゃ!
なんでか知らないけど周りに人だかりができているから、それが不良たちが逃げないための防護柵になるかも!
すると、周りの人たちが悲鳴を上げた。
え?
何があったの?
顔を上げると、男の子が右目を不良に殴られていた。
嘘でしょ!?
どうしよう・・・
中には、
「救急車も呼んだ方がいいかな?」
と言っている人もいる。
何人かの人が、男の子に駆け寄っている。
これ、完全に私のせいだよね・・・
もっと早く警察呼べばよかったのに・・・
頭の中で色んな感情が渦巻く中、やっと警察が到着。
「どいてください!」
パトカーの中から2人の警察官が出てきた。
不良に手錠をかけ、車の中へ連行する。
「君は、怪我、ない?」
そう問われ、私はうなずく。
しかし、男の子は右目を殴られたので、瞼から血が出ていた。
完全に私のせいだよね・・・
後日。
また、いつものように図書館に向かう。
行くのを躊躇しそうになったが、返却期限が迫っている。
その途中で、この間の男の子にあった。
右目には眼帯をしている。
「あ、この間はすみませんでした!」
「え、なんで謝るの」
「なんでって・・・私がもっと、早く通報してればあんなことにはならなかったんですよ」
「・・・・」
「日本の警察や消防の平均到着時間は7〜8分。だから何かあったときはすぐ通報しろとあんなに父に叩き込まれていたのに・・・」
「・・・・」
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はぁ。
これは実際にあったこと。
今でも、夢に見ちゃうんだよね。
あの後、謝った気がするんだけど……
本当に許してくれたかはわからない。
あれ?
でも、あの男の子見覚えあるんだよね………。
右目に黒い丸い眼帯してて、喧嘩好きっていうか喧嘩強いっていうか……
政宗くん、宮城出身って言ってたよね!
もしかして・・・あの男の子は政宗くん!?