コメディ・ライト小説(新)

Re: ファイティン・ラブ!〜彼氏は推しでした〜 ( No.16 )
日時: 2022/11/28 06:47
名前: ほのみん (ID: 0j2IFgnm)

(第九話(2))

小四の時、私を助けてくれた男の子は政宗くんに見えた。
眼帯してるし、喧嘩好きっていうか喧嘩強いっていうか……
そういうところが似てるんだよね。
でも実際確認してみないと分からない。

そんな中、ついに七夕が来てしまった。
マンションの共用スペースに置いてあった笹に自分の願い事を書いた短冊を結びつけると、私は、学校へ向かった。
もちろんお願いごとは、「好きな人と付き合えますように!」
速攻で願い叶えてほしいなぁ。

いよいよ放課後。
「頑張ってきなよー」
と杏ちゃん。
そして、陽花ちゃんからは
「男性が好きになりやすい女性のタイプって優しいとか穏やかとかそういうのらしいから!みーちゃん当てはまるし絶対付き合えるよ!」
という励ましを受けた。
仙台城跡の伊達政宗の騎馬像の写真を見て、心を落ち着ける。
きっと大丈夫だ。
よし、行こう!

「あの、政宗くん、話があるんですけど」
「あ、俺もあるんだけど」
「じゃあ、先どうぞ」
話って何だろう?
気になる。

「俺たち、前も会ったことある気がするんだけど」
それだったかー。
やっぱり政宗くんも覚えてたんだ。
はぁ。
「多分会ったことはあります」
「えっ、どこで?」
「仙台市民図書館の前です」
「あぁ……そこか」
「政宗くんが右目に眼帯するようになったの、あの事件からじゃないですか」
「確かそうだったような……あの時はごめん」
「なんで政宗くんが謝るんですか……悪いのは完全に私なのに」

話していて気づいた。
私の声、完全に震えてた。
「俺があんな怪我したから、美織の中できっとトラウマになっちゃったんだよね……俺がさ、能力を使って美織の秘密を覗いた時、今まで感じたことないような……壮絶な過去っていうのかな、なんかそういうものを感じて……でもっと詳しく見てみたら、俺が図書館の前で会った女の子だってわかって……」
「政宗くんは一切悪くないです!悪いのは全部、私です……」
「隠してて、本当にごめん……」

政宗くんの声が震えていた。
私も、もう止めどなく涙が溢れ出てきて、止まらなかった。
一緒にいる時間は長かったはずなのに、全然私、気付いてなかった。
政宗くんの中で色々な葛藤が生まれてたことを。
でも、ちゃんと言わなきゃ。
自分が何を伝えようとしたのか。

「政宗くん、私、政宗くんのこと……」
「俺から言わせて」
「え?」
「美織、好きだよ。だから、付き合ってくれませんか」
「もちろんです」

気が付けば、夕暮れ時だった。
2人で笑い合って、帰路についた。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

(あとがき)

こんにちは、ほのみんです!
いやー、書いていて、泣きましたね((え?
政宗くんの中でも、色々な感情が渦巻いていた事がわかって・・・
というか、私が書いたんですけどね。
私、涙もろいので・・・
美織ちゃんには幸せになってほしいなぁ。
第10話もお楽しみに!

(次回予告)

いよいよ夏、スタート!
美織&政宗カップルの進展は!?
第十話もお楽しみに!