コメディ・ライト小説(新)

Re: ファイティン・ラブ!〜彼氏は推しでした〜 ( No.20 )
日時: 2022/12/28 16:43
名前: ほのみん (ID: 2kdnCy6W)

(第十三話)

「うーん・・」
私は夜、1枚の画用紙とにらめっこしていた。
しおりの表紙を作ることになったんだけど・・・
なんの絵を描けばいいのか分からない。

「おねーちゃーん」
「ん?」
「表紙、できた?」
「まだ全然」
「あれ描けば?ほら、えっと、うーん・・・富士山!」
「富士山だけじゃ物足りないでしょ」
「あと、旅行に行く税金無男さん」

税金無男さんってのは、私が小学生の時、よく描いてたキャラ。
[税金]の[無]駄遣いをなくす[男]って設定。
でも、単純なキャラで、すぐ描ける。

「うーん、あとは?」
「似顔絵!」
「え?」
「みんなの似顔絵、お姉ちゃん中学の卒アルに描いてたでしょ?」
「そういえば描いたような・・・でもめんどくさいよ~」
絵を描くのが当時は好きだったから、描いてたかも。
「じゃあ、無男さんだね」
「修善寺は?」
「あ~、富士山と修善寺ね・・・いいんじゃない?」
などと言いながら、結局その日は終わった。

翌日。
しおり係は私の家に集まって作業中。
そんな中、政宗くんが机の上に置いていたハガキに目を留めた。
実はそれ、宮城にいたときのお隣さん、貴史くんからのハガキ。
俳句とか短歌とか書いては写真を添えて送ってくれるんだ。

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美織ちゃんへ

お元気ですか。
もうすぐ夏休みに入ります。
宮城は蝉もたくさん鳴いてます。
横浜はどうですか。
たまには宮城に遊びに来てね。
怖い(疲れる)事もあるだろうけど、けっぱれ(頑張れ)。

比留木貴史より

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「『日も落ちて なほ鳴き止まぬ 蝉の声』か」
「貴史くんは私が宮城にいた時の同級生です」
「そうそう、貴史くんは文学少年だからな〜」
と沙絵が割って入る。
「要するに伊達にそっくりってことか?」
と武田くん。
「ん〜、まあそうなります」
と沙絵が答えると、
「え!?」
と政宗くんが反応。
「そっくりっていうのかな……」
と私は引きつつも、作業に戻る。

まず、富士山と修善寺を下書きする。
そして、ペン入れ。
最後に色塗り。
1時間ほどで完成。
みんな完成したらしく、次の日にコンビニにコピーしに行くことになった。

次の日。
みんなでコンビニのコピー機を囲みながら、コピー中。
最後にホチキスで止めて完成!
あとは準備して、行くだけ!
だと思ったんだけど……
お父さんのこと、どうしよう!?
(実は家事経験0)

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(あとがき)

皆さんこんにちは。
ほのみんです。
修学旅行とかでしおり見るとワクワクしますよね。
今回はついに貴史くん登場です。
次回もお楽しみに!

(次回予告)

家事経験0の父親へ向け、美織&沙絵による家事特訓スタート!?
しかしミスだらけ!
どうする?父!
次回もお楽しみに!