コメディ・ライト小説(新)
- Re: ファイティン・ラブ!〜彼氏は推しでした〜 ( No.21 )
- 日時: 2023/01/09 05:51
- 名前: ほのみん (ID: Q2Am3366)
(第十四話)
レモン不動産本部の営業企画部長・柴田誠は部員の女子社員の会話に耳を傾けていた。
「やっぱり家事が出来る旦那さんって良いですよね~!」
「私の父親、なんにもしなかったですけど……」
「ええっ、本当ですか!?」
「うんうん。今だったら時代の流れに取り残されてるよね」
(時代の流れに取り残されているだと!?今まで妻や娘は何も言わず淡々と家事をこなしていたが、心の中ではそう思っていたのか・・・)
グサリと女子社員の会話が心に刺さる中、誠には『娘二人が4日間いない』という危機が迫っていた―――――――――
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「おはようー」
と挨拶をしながら、私はお父さんの方をちらりと見た。
沙絵も同じく、ちらりと見ている。
「お父さん、気づいてる?」
「ん?」
「私達8月の初め、3泊4日でお泊まりいくから家、いないんだよ?」
「その間、料理とかどうするつもりなのか聞きたいんだけど」
「あ………」
とお父さんの顔が青ざめていく。
「ちょっとちょっと!まさか、何も考えてなかったの!?」
「あ、ああ……」
嘘でしょ!?
「でご飯とかどうするの?家政婦さん雇うなら雇うでいいんだけど」
と、沙絵がさらに畳み掛けていく。
『まずい、何も考えていなかった』というのがお父さんの顔に出ている。
「うーん、しょうがないなぁ。家事特訓やる?」
と私。
「さあ、レモン不動産営業企画部長、柴田誠!今までの家事経験は0!そんな中、娘二人が4日間不在の危機!どうする!?」
と沙絵が実況風に話す。
「悪いんだが……特訓、してくれるか?」
というわけで、3日に渡る特訓スタート。
しかし、私と沙絵の見込みは甘かった――――――
【1日目】
□今日の特訓リスト→掃除機がけ、ゴミ捨て
まずは朝から掃除機がけ。
基本中の基本。
これはクリア。
次はゴミ捨て。
「今日はプラごみだからね」
「え?どれ?」
「これでしょ!袋縛って捨てる!」
などとも言いながらクリア。
【2日目】
□今日の特訓リスト→野菜の皮むき、料理
これも基本。
まずはピーラーで人参の皮むき。
沙絵がお手本を見せる。
で、お父さんがやる。
「え?剥けないんだけど」
「は?」
「なんでなんで、できないの!?」
などと大揉め。
次はじゃがいもの皮むきと芽取り。
これは私がお手本を見せる。
スルスル~ときれいにむけた。
「はい、お父さんの番。これ小6でもできるからね」
「え?剥けないんだけど」
「また!?」
「これもっと柔らかいやつからやらないとだめだね」
と沙絵。
私達の見込みは甘かったのだ。
そして、フライパンを使って炒める調理。
これも小6の家庭科実習でやる内容。
「あっつ!」
「いや、だからそこ触ったら熱いに決まってるでしょ」
「まったく、ひどいな…そのレベルは想定してなかったよ」
【3日目】
□今日の特訓リスト→野菜と果物の皮むき、料理、ご飯を炊く
はい、最終日。
まずはキウイの皮むきから。
キウイを輪切りにし、周りの皮をむく。
「お、むけたぞ!」
「…はい、次、梨むいて」
これも、芯を取ってカットしてからむく。
「なんかこっちのほうがしっかりしててむきやすいぞ!」
「…調子に乗ったときこそミスしやすい」
「そうだね」
次はじゃがいも。
「お、むける!」
「はい、次ご飯炊く」
お米を洗い、炊飯器にセット。
これはスムーズにできた。
これで家事特訓は終わり。
いつものように平和が訪れた柴田家に、将来とんでもない激震が走ることを、私達姉妹はまだ知らない。
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(あとがき)
皆さん、こんにちは。
ほのみんです。
今は『イクメン』とかいう言葉もあるそうですね。
最後の文も、少し気になりますね…。
まずは安心して合宿に行ってもらおうと思います((?
第十五話もお楽しみに!
(次回予告)
夏の特別編、スタート!
まずは夏合宿へ!
伊東での3泊4日はどうなる?
次回もお楽しみに!