コメディ・ライト小説(新)
- Re: ファイティン・ラブ!〜彼氏は推しでした〜 ( No.9 )
- 日時: 2022/11/03 07:22
- 名前: ほのみん (ID: idqv/Y0h)
(第五話)
ウィーン。
ガチャッ。
総会のあと、超特急で作ったポスターを、夜、コンビニで印刷してみた。
うん、これでいいかな。
各クラス分の5枚と、予備を印刷して……
完成。
クリアファイルに入れて、オッケー。
あ、いいこと思いついた。
伊達くんたちに見てもらおっと。
ラインを開いて、メッセージを送る。
“少し相談があるのですが、家にお邪魔していいですか?”
送ったら秒で返信が来た。
“ちょうど全員揃ってるしいいかも。来ていいよ!”
だって。
確か、伊達くんのいとこって全員名前が戦国武将っていう……
ちょっと珍しい(?)んだよね。
ピンポーン。
「はーい」
出てきたのは、豊臣くんだった。
「あれ?こんな時間にどうしたん?」
「あ……。ちょっと伊達くんに相談があって……。よかったらみなさんにも聞いてほしいんですけど………」
「わかった!上がって上がって」
「お邪魔しまーす」
「それで相談っていうのは?」
居間についたところで、伊達くんに聞かれる。
「あ…このポスターのことなんですけど」
ポスターの入ったクリアファイルを、そっと差し出す。
「あれ?これ生徒総会のお知らせポスター?」
口を開いたのは、伊達くんの隣にいた大学生らしき人。
確か織田信長さん___織田くんじゃ呼びづらいから信長くんと呼ぶことにしよう。
この中じゃ最年長らしい。
「そうなんですけど・・・よく分かりましたね」
「あれ?信長が星川の出身だって話、美織ちゃんにしなかったっけ?」
と豊臣くん。
「されてません!そんな話!というか本当に星川の卒業生なんですか?」
「本当だって」
「本当ですか?なんだか豊臣くんのこと信用できなくなってきました」
「可哀想に。お前信用されなくなったぞ」
と豊臣くんに対して伊達くんが言う。
「えー!?もうなんやねん!早くいいから話の続きして」
「今日総会があったんで超特急で作ったんですけど・・・これでいいかなって。こういうのは卒業生の信長くんに聞いたほうが良かったかもしれませんね。伊達くん、一応転入生なので」
「確かにな〜。でもポスターはそれでいいんじゃない?」
「良かったです!なんか心配になってきちゃったので」
「というか……。信長、お前生徒会長もやってたのかよ」
と卒アルらしきものを開いていたのは、徳川家康さん___家康くん。
確か大学生。
というか、苗字の方が呼びやすい人と名前のほうがよびやすい人とはっきり分かれてるなぁ。
呼びやすい方で呼ぶとしよう。
「え!?本当ですか?見せてください」
「ほら、ここに書いてある」
そこは、寄せ書きのページだった。
“生徒会長へ。今年、結構生徒会激ゆるじゃなかったですか?なんだか副会長として悔しいというか・・・生徒会長なりたかったなぁ。 特進クラス 今木愛子”
と書かれている。
信長くん、生徒会長だったんだぁ。
「あ、そろそろ帰らないと」
「バイバーイ。また来てねー」
スッキリした。
玄関まで見送りに来てくれた政宗くんがいった一言を除いて。
「あ、そうだ。お母さんの遺書、開いたほうが良くない?」
「え?」
「ごめん!やっぱなんでもない」
ん〜。
なんだろう。
翌日。
私が各クラスにポスターを配りに行くと、B組に、転入生が来ていた。
「上杉くん?」
「あれ?美織ちゃんかぁ。ちょうどこないだ新潟から来たばっかでさぁ〜。あ、ポスター預かるね」
「びっくりしちゃいました。言ってくれればよかったのに」
「いや〜。びっくりさせようかなと思って」
「学級委員長なので、色々頼ってくださいね」
「そうだ。お昼、唐揚げ定食ととんかつ定食、どっちがいいかな?」
「そんなの自分で決めてくださいよ。ちなみに私は唐揚げ定食のほうが好きですよ」
なんて話をした。
そんな中、政宗くんの一言でもやもやしていた私は、ついに決心した。
お母さんのスマホに入っている遺言メモを開こうと。
帰ってきたら、速攻で棚からお母さんが使っていたスマホを出し、充電。
入るかわかんないけど、とりあえず。
夜、寝る前に見てみると、ちゃんと入っていた。
しかも、正常に動作している。
メモアプリを開く。
あった。
ずっと開くのは怖かったけど……。
でも、開けるとしたら今しかない気がする。
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『美織へ』
あなたが今、これを開いているということは、私は亡くなってしまったのですね。
まず、生前はありがとう。
あなたにたくさん、助けてもらいました。
いつも明るくて、優しくて、疲れても元気をもらえました。
あなたに、お願いがあります。
星川高校に行ってほしい。
なんでそんなこと言うの?って思うかもしれないから、理由を説明します。
私は、研究者を生前、していました。
星川高校の特進クラスに行ってほしい。
美織は、伊達政宗が好きだったよね。
伊達政宗そっくりの人が、星川高校の特進クラスにやってくると思います。
そんなこと言っても信じてくれないかもしれないけれど、本当です。
彼を助けてほしい。
きっと、美織にしか、できないことです。
私の最後のお願い、聞いてほしいです。
これが、遺言です。
柴田恵理
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え……?
お母さんは、政宗くんの事を知っていた。
でもこれが書かれたのは数年前。
「なんで・・・?」
疑問はしずくとなって、私の心にこぼれ落ちた。
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(あとがき)
こんにちは。
ほのみんです。
なんと・・・
1日で2話書き終えてしまいました!
このファイティン・ラブ、ミステリ要素も出てきましたね?
ミステリと、恋愛の同時進行にしようかと思ってますので、是非応援していただけると嬉しいです!
第六話もお楽しみに!
(次回予告)
ますます謎めく政宗たちの正体・・・
彼らは何なのか。
ミステリ×恋愛となったファイティン・ラブの第六話もお楽しみに!