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コメディ・ライト小説(新)
- Re: 玉比べ ( No.1 )
- 日時: 2022/10/16 18:00
- 名前: ゆせのん (ID: Yp/UGskp)
あんなことを言った日から何日もたって、もうすぐ小学校生活の終わりが見えてきた。
毎日、卒業式の練習で、放課後に児童館で卓球をすることはほとんどなかった。
あれから優斗とも仲良くしているがきっとあの言葉はまだ、根に持っているだろう。
そして、卒業式当日。隣の席には優斗がいる。
なんとなく気まずくなってきた。とうとう俺の出番が来た。
ビシッと前へ出て、卒業証明書みたいのをもらって、席へ戻った。
次は優斗だ。ポロッ。
「え」
思わず声を出してしまった。優斗が涙を流していたのだ。
優斗が泣くことはめったに無く、珍しいのだ。
優斗は涙を流しながら、前へ出た。
少し会場がざわついてきた。それほど珍しいのだ。
きっとあの涙にはいろんな思いが詰まっているのだろう。
みんなとの別れ。卒業。そして、卓球。
優斗はクラブチームに入っていて、かなり強いチームだ。
しかし最後の大会で県大会予選落ちという残念な結果を残し、優斗は涙を落としていた。
そんな気持ちがあるんだろうな。
少し複雑な気持ちになりながら、卒業式を終えた。
多分、優斗と同じ中学校だからそんなに悲しい気持ちでもない。嬉しいことだ。
だけど、小学校生活で卓球とかでお世話になったから、お礼は言っておこうかな。
「優斗、6年間俺と遊んでくれてありがとうな。」
「ああ。こちらこそ。」
「あの、優斗。」
「ん?」
やっぱり謝った方がいいか。あの発言のこと。でもな、、、
「い、いや、ごめん、なんでもない。」
やっぱりもう言ってしまったことは取り消せない。
優斗は俺にとって、ライバルだ。
別に謝らなくていい。いい。よね、、、、
どっちが良かったのか俺は分からない。どっちが良かったんだろうな、、、、、、、
そして、2人の中学校生活が始まる。
2話へ続く。
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