コメディ・ライト小説(新)

Re: カンシタ!  ~音楽と元気な恋愛友情物語!~ ( No.2 )
日時: 2022/11/21 06:53
名前: ぷちとまと。 (ID: rdX62NDu)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「そのね・・・。」
「もしかして、男子、佳奏が可愛いからいじめてんの!?許せない!あたし、今すぐ律や鈴胡に相談してくるわ!」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
思いでの佳奏と絃葉幼少期。後編
早合点した絃葉に、私はすかさず待って!!といつもよりはだいぶ大きな声で言った。
「…違うの?嘘つかなくていいんだからね。」
「いや、ほんとに違うの。だからね、その…その…私、サンシャインガールズみたいに、歌って皆を元気づけたいのっ!!」
「……?」
今まで鋭い目つきだった絃葉が、急に穏やかな目に、とても大きい瞳の、可愛い女の子に戻った。
「え?あ、‥‥うん、うん!!いいね、それ!いじめられてんのかと思って、びっくりしたけど私、やっぱり佳奏の考え好きだよ!」
「あ、ありはとお…。」
急に抱かれてびっくりしてる私をよそに、絃葉は一気に言った。
「よし、善は急げよ!私のおうち、お父さんが楽器のスペシャリストだから楽器いっぱい持ってるし、お母さんシンガーソングライターだから録音とか持ってるかも…!行こう!あ、もちろん防音シートは貼ってあるから!」
いくらなんでも、都合がよすぎる。絃葉のおうちってお金持ってるなぁ・・・。そう思いながら、私は絃葉の腕に引っ張られ、寄り道ならぬ、寄り家しに言った。
「おじゃましまーす・・・。」
「ただいまっ!ママ~、佳奏が来たよ~。久しぶりに会いたいって言ってたもんね。」
「あら~、いらっしゃいいらっしゃい。お菓子丁度できたから食べていきなさい、佳奏ちゃん。」
「ありがとうございますっ、おばちゃん。」
すっごく丁寧に焼いてある、楽器型のクッキー。ここ、楽器の物しか出てこないのかな…と案じていると、やはり一緒に置かれたコーンスープのでかいスナック?みたいなのもギター型。このお母さん器用すぎる、っていう気持ちと楽器の物しか出てこないんだ…っていう気持ちが半々だけど、正直ここまで良くしてくれるとは‥‥さすが、親友。そう思ってると絃葉がクッキーを一口食べてから切り出した。
「あのね、ママ。私達サンシャインガールズみたいになって、皆にお母さんたちみたいに歌を届けたいの。」
サンシャインガールズみたいに、ママみたいに。その一言一言が絃葉がどれだけ音楽が好きなのか、またいろんな人を元気づけたいっていう気持ちが痛いほどわかった。
「よろしくお願いします、おばちゃん。私達に、録音のマイクと楽器をください!!私は電子ピアノできるし、ベースは絃葉ちゃんがやってくれます!できます!!」
私達がいきなり切り出した話に、おばちゃんは戸惑いつつも、寂しそうな目で笑って、沈黙した。一息おいてから、言ったのは…。
「あのね、二人とも。元気づけるっていうのはいいことだけれど、サンシャインガールズよりあなた達はずっと年下だし、事務所も応募しないといけないし、なにより費用がかかりすぎるのよ。とてもじゃないけど、そんなことはできないと思うの。ごめんね、気持ちだけ受け取っとくわ。」
反対だった。確かに、そりゃそうだ。そりゃそうだよ。無理なものは無理。そうやって生きてきたはずなのに、教えられてきたはずなのに、優しく見つめるおばちゃんの顔は今は悪魔の笑い顔に見える。やめろ、お前らにはできない。そうやって今にも言いそうだ。私はあきらめようと思い、絃葉にありがとうと言おうとしたとき、絃葉が言った。握った拳を震わせながら。
「じゃあ、なんで?やってみないとわかんないって言ってたじゃん!だめじゃないって言ってたじゃん!それなのに、それなのにっ!あたしはあたしの好きなことしていいの!事務所もお父さんのところでやるし、費用だって自分でできる!なんだって、なんだってよ!だから、いいよって言ってよ!お母さんは!やってるじゃん!お母さんは…」
「だからって、可愛い娘にこんな道歩ませたくないの!!私だって…好きなことをしてきた。させてきた!!けどね、無理なの。無理だよ・・・。だから諦めて。私だってこれを望んでないのに、好きなことしただけなのに、こうなってしまったんだから。‥‥‥‥‥‥ごめんね、おばちゃんちょっと疲れちゃった。佳奏ちゃん。ごめんね、クッキー全部食べたらおうち帰っていいからね。」
そういうと、おばちゃんはふすまをバタンと閉め、赤くなってしまった目をつぶって、横になっている・・・。そんな気がした。私は当時、どうすればいいのかわからなくなって。だって、おばちゃんはほっといていいの?絃葉を。私はどうすればいいの?帰るの?帰って、何を言うの?遊んでたって…嘘つくの?
「絃葉。大丈夫?大丈夫…じゃないよね。」
「…‥‥私だって、好きなことしたいのに…私は「私」でママは「ママ」なのに…。失敗するかわからないのに…。」
ズビッと鼻水をすすった絃葉に、私はこう質問したんだ。
「お母さん、なんかあったの?」
すると、絃葉はおばちゃんのシンガーソングライター活動を辞めた、その理由とこれからについて聞いた。
「ママは、あの日いつも通り歌って活動していたんだ。みんなに笑顔を届けるために。‥‥‥‥‥けどね、それ、5人組に不良に壊されたんだ。」

「ありがとうございました~!!私…kindnessで「夢」でした~。今日は私のライブに来てくださりありがとうございました!」
たくさんの観客に、たくさんの笑顔。3歳4歳だった絃葉と佳奏は、ママの歌よりも、観客の人たちの笑顔を気にしていた。そんな時だった。あの人たちのせいで、壊されたママの幸せは。
「だっせー。お前、kindnessだっけ?本名とかダサすぎるし歌詞もダサすぎ。俺のほうがまだうまいのできると思いまーす。」
大声で言うその人たちに、kindnessことママ以外全員戸惑った。
「それなー。だって本名、異型いけい玻名城はなしろだぜ?意味わかんねぇ名前。どいうことだよ、玻名城ってよぉ。玻名城って三文字で書くって、もうキラキラネームじゃねぇか。」
「何それウケるwwwwwwwwww」
その4人組を除く観客が、ほんとに?という目でママを見つめていた。でも、物心ついたばかりの私たちはどうすればいいのかわからなくて、パパやママを見つめたけど、今はあの人たちを刺激しないほうがいいってこそこそ退場したんだ。だからそれ以上は覚えてない。けれど、帰りの電車でパパのスマホを借りて動画を見ていた時、メールが届いてて、それをちらっとみたら「私、やめるわ。シンガーソングライター。今までアンチいたから慣れてたけど、もう限界。無理。あ、このことは絃葉にはまだ内緒ね。」と。本が大好きだった私はその漢字たちをすぐに解読し、真っ青になった。そして思ったのだ。‥‥私にできることはなかったのだろうか。と。

「そうだったんだ‥‥。」
全然、知らなった。私、その頃の記憶あいまいだから全然覚えてなかった。そっか、あの4人組が‥。
「でもね、私はそれでもやるの。うるさいこと言ってるやつにはさらにうるさいこと言ってやる!っていう乗りでね。…‥‥けど、それより私、そういう人たちにも元気づけたいって思っちゃったんだ。綺麗ごとかもしれないけど、そういう人たちこそ、それなりのケアと、元気を与えてあげないとダメなんじゃないかって思って。」
「確かに、そうかも。‥‥‥うん。私だって、私だって!できるよ、やれる!そういう人たちを負かすぐらいに元気にしてやって、ありがとうって、笑顔がいっぱいにしてやるんだ!!」
私達はがぜんやる気に満ちて。クッキーも全部食べ終わるころには、時計は4時半になったことを告げていた。
「ダメかもだけど、私諦めないから。だから、だからね!私達でやろう、佳奏!」
「もちろんだよ、絃葉!!」
じゃあね、そう言おうとした私に、髪をなでる大きなおばちゃんの手があった。見れば、絃葉も髪がぼさぼさだ。
「ごめんね、絃葉。佳奏ちゃん。あなた達見くびってたわ。あの人たちを元気づけるくらい、いい歌うたいたいのね。」
「ぜ、全部聞いてたの、ママ!?」
びっくりする絃葉に、おばちゃんはぺろっと舌を出した。
「まあね。寝ようと思ってもなかなか寝れなくて。けど、丁度いい宣言が聞けたわ。‥‥よし、決めた!あなたたち、全部使っていいわよ!!この家にあるもの全部!」
「いいの!?」「いいんですか!?」
私達の表情が一気に笑顔になる。けど、おばちゃんは最後にアニメのラスボス感満載の不敵の笑みで言った。
「た~だ~し!最低でも4人ぐらい連れてくること!じゃないと分担もできないよ!!」
翌年、私と絃葉、律、鈴胡、弓弦、音香でカンシタ!を結成したのは言うまでもない。今もこれからも、あのおばちゃんの言ったことを大事にして活動していけたら。そう思った私と…絃葉であった。

長くなってしまいスミマセン!ということでこんとまと~♪ぷちとまと。です!あの…最後に一言だけでも…(((おい 私は今、天才的シンガーソングライターのぷれさんと共に、瑠璃色楽曲隊という音楽活動をしています!カンシタメンバーと同じだね!ちなみに!私が作曲し、ぷれさんが伴奏&歌う!そんな活動です!ちなみにその歌はトピアというカラオケアプリで配信中です!ぜひそちらもダウンロードを。よろしくね。そして、今我々は瑠璃色楽曲隊の応援隊を募集しています!総合掲示板の雑談枠に投稿してあると思うから、そこからぜひご参加を。見てくれた皆さん、ぜひ参加よろしくお願いします!!