コメディ・ライト小説(新)
- Re: 横井家族の日常 【小5執筆】 ( No.3 )
- 日時: 2022/12/08 19:15
- 名前: むう (ID: viErlMEE)
第2話「馬の正体見たり」
「ごめんなさあい……」
台所で、怒られているのは、颯。涙を流しているのは由紀。そして、料理をしているのは、ぷんすかぷんすか怒っているこのわたし。
お玉の中を混ぜ、火を止めてから、わたしは二人に向き直る。
テーブルの隅では栞奈たち(部活中のお兄ちゃんを除く)が、そのやりとりを見守っている。
全く。お母さんになんと言って叱られるのか……。あ・ん・た・た・ち・の・せ・い・で!
「次やったら一週間おやつ禁止だからね!」
「えーやだぁ」
と颯が顔をゆがませる。反対に由紀は、「あたしは颯ほど、おやつ好きじゃないからいいよ」だって。
生意気。
そういうことじゃないのよ! だいたいねえ……あんたって子は……(長くなるので省きます)。
でもあれは、栞奈にだって問題があるし!
「えー、ないない。ありません」
独り言を聞きとったのか、栞奈が慌てて手をばってんにする。反省してない様子。
瓜二つの顔だから余計にむしゃくしゃするんだよね……。うんうん。
とにかく。次やったら颯と由紀と栞奈はおやつ抜き。それで決定。もう決定。
「バカだな、あいつら。郁に怒られるの毎回だぜ」
テーブルで宿題をしながら、拓也が誰に言うともなくつぶやく。
全く同感だ。ほんとにもう!
と。
末っ子の渚沙が、読んでいた動物の図鑑をパタンと閉じた。何だか浮かない顔をしている。
渚のいつもと違う様子に気づいたのは、わたしと拓也だけだったみたい。拓也が渚沙に声をかけた。
「どした?」
すると渚沙は、図鑑を開いて、拓也の前にかかげた。拓也も、そばにいたわたしたちも、図鑑をのぞきこむ。
「たくや兄ちゃん。おうまさん、ころしちゃうの?」
え?
ポカンとなったのは、自分だけじゃなかったと思う。
「おうさまさん、おにくになっちゃうの?」
ははあん。確か、今日二年生は牧場見学だったよね。それで、馬がお肉にされることを急に実感しちゃったんだ。
たしか、この子のクラスって、旬也と同じじゃなかったっけ?
「郁ねえちゃん。なぎさ、めっちゃおちこんでるんだよ」
と旬也が耳打ちする。
うん。いつもなら、天然だし、こっちがついていけないくらい元気いっぱいなんだけど……。
こりゃ、かなりのダメージだね……。
と、こんなに落ちこんでいるところに、栞奈が、更なるショックを受ける言葉を吐いちゃった!
「馬だけじゃなくて、羊も豚もお肉にされて、おいしくいただかれるのよ」って!
渚沙は、もう大泣き。
か、か、栞奈~! なんてこと言っちゃうのよ、あんたはぁ~!
(次回に続く!)
―------高2むうの一口メモーーーーーーー
私には小5の弟がいますが、弟も小説を書き始めました。
主人公の名前を「三ニ一」にしたのが忘れられなくて、
姉の私は現在「ヒフミ」という名前のキャラを主人公にしてお話を書いてます。