コメディ・ライト小説(新)
- Re: 檻(個人の見解) 第3章 ( No.3 )
- 日時: 2022/12/06 17:05
- 名前: 野原いちご (ID: hFu5/zEO)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13391
★第3章 施設を去っていく
今日1日はスケジュール通り動かなくてもいいらしいから、のびのびしていた。今日は日曜日だから、明日のこの時間は学校だな…。
ぼーっと窓を眺めていたら、琴の声が聞こえた。
『えっ!?凛ちゃんも甘奈ちゃんも今日でお別れ!?』
凛(りん)ちゃんと甘奈(かんな)ちゃんとは。
凛ちゃんも私の幼稚園の時からの友達だが、ついこの間喧嘩したまま、3週間ほど喋れていない。
甘奈ちゃんは小学生になってから友達になった。一緒にはあまり喋らないけど、めちゃくちゃ人思いな優しい女の子。
あの2人も施設にいたのか…。で、脱出(お別れ)できるってことか…。
いいなぁ。どのくらい施設にいたんだっけ。あの2人が午後から投稿を始めたのは、3年くらい前…?え、嘘、そんなに脱出に時間がかかるの!?
と言ってる間に私も玄関に駆けていった。
2人が柵から出ていく。
「凛ちゃん、甘奈ちゃん!!待って!!どうやったら脱出できるの!?教えて!!」
でも2人共無視して柵を出て行ってしまった。
スタッフや子どもたちも次々施設に入っていって、残っているのは私だけになった。
と、そこに。
『いちごちゃん、こっちこっち。』
と、小さい声がする。誰だろう。
『私だよ。甘奈だよ。こっちだって!』
「甘奈ちゃん!?」
『脱出方法を教えてほしいんでしょ?だったらここに方法をまとめた手紙があるから。それを見て早く脱出してね。私、学校でいちごちゃんとおしゃべりできる日を待っているよ。』
柵の隙間から手を出して、手紙を渡してくる。私はそれをしっかりと受け取った。
「甘奈ちゃん…!ありがとう!!!」
そこにスタッフが歩いてくる音がした。
『いちごちゃん、早く逃げて。ここは私がなんとかするから。』
「甘奈ちゃん、また明日学校で会おう!!」
それから私はすぐに部屋に戻り、手紙を確認した。
そこには甘奈ちゃんの字で、脱出方法が書いてあった。
ミッションは毎日、必ず出席する。いい手柄を立てれば、報酬がもらえる。その分脱出できる可能性も増える。
夜の間に、施設のどこかをぶち壊す。ホールの机だけでもいいから、トンカチで割る。これはストレス発散のため。やりたい人はやればいい。
先生が壊されたものを見て、修理している間に、職員室に駆け込み、そこからパスワードを確認した。パスワードは1559。
ただ、入口付近には5つの防犯カメラがある。注意しなければならない。
これでパスワードが分かった。防犯カメラをよければ、脱出できるかもしれない。
甘奈ちゃん、ありがとう。
私、なんとかして脱出するよ。
そして、学校でまた話そう。