コメディ・ライト小説(新)

Re: 多重の図書館 ( No.4 )
日時: 2023/01/03 18:56
名前: 日影@hikage (ID: viErlMEE)


 四🔷別々の世界
 もう九月の半ば。私達は十五日おき、つまり十五日と三十日に会議をすることに決めた。時がたつのは早いなあ。今日は月曜日だがみんなが来ていた。


「第二回みんなで話し合おうの会。パチパチーー。みんなで気が付いたことを話し合おう!」


水晶君がみんなの気持ちを盛り上げようと話す。清作が
「まず俺から、俺たちの住んでいる世界についてで、俺たちは別々の世界に住んでいるんだ。異世界いわゆるパラレルワールドだ。形は違うが同じところがある。つまり大きな元の世界があって、そこから生え分かりしているみたいな感じかな」
ゲームのし過ぎじゃねと一瞬思ったけれど、一理ある。

「他はないか」
首を横に振る。


「さて、後はこれをどうして確かめるかだ」
と水晶君。


「正午にハジマリさんに聞けばいいんじゃねーの。知らんけど」
と炎煉。


「「たしかに」」
とみんなの声がはもる。


「じゃあ、それでいくか。正午までみんな大丈夫か」
みんながこくんとうなずく。


「それまで好きにしていいな。よし、じゃっあ、ゲームもう一つ全クリするとするか~」

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 時がたち、正午まであと一分。
カチッカチ。あと十、九、八、七、六、五、四、三、二、一
ゴーンゴーン


「「ハジマリさーん、ハジマリさーん」」
と何度もみんなで呼びかける。が、ハジマリさんは出てこない。少なくとも二十分は待っただろう。やっとでできた。


「何が正午に来る、だよ。全然来ないじゃないか」
と清作。

「すまん、すまん、少し忙しくて」

そこに烏賊葉が、
「だから、なんでそんなに上からなんだよ。おめえの歳はいくつなんだ」
「えっ、驚くなよ。177だ」

「はあ??????」
「まあ、そんなことは置いといて。なんで呼び出したんだ」

息を飲み込む。ハジマリさんが一番やばいんじゃないか。
「こんなことを考えたんだ」



「ふむふむ。だがゲームのし過ぎだな。ひとつ言うが、私は君たちにしかできないから君たちを選んだんだ」

そしてハジマリさんはまた、煙のように消えていった。

「俺たちの秘密を言わないか。俺たちにしかできないことなんだったら」
それはありだと思う。単に私は秘密が少ないからな。最初に言うか。

「あの、私は今日本当は学校があったんだけれど、休んだんだ。最近はずっと休んでいることが多い。あと、自分で言うのは何だけど前は優等生キャラ的な感じだった。あの暑い夏から行きたくなくなったんだ」

「あの、僕も」「わ、私も」「俺も」「僕もなんだ」「実は俺も」
「え、つまり皆私みたいな感じだったの」
「「うん」」
どういうこと、またこれ……。

「じゃあ、私は雲とか天気とか観察する理科が好き」

「わ、私は植物とか観察すする理科が好き」

「俺は家庭科」
と炎煉。

「俺は、図画工作とか作るやつ」
と清作。

「俺も家庭科」
と水晶君。

「俺は学校は嫌いだ。あんまり行きたくない。けれど行かされる。特異な教科はない」
と烏賊葉。それに続き、幸多が
「おれも烏賊葉と同じだな。つか、疲れた。もう帰るわ」

「じゃあ」「俺もそうするか」「つ、疲れました~」
と次々にみんな帰っていく。

 最後に私と水晶君が残った。
 水晶君が辺りを観察している。私が帰ろうとしたとき、
「はっ…!待って八雲。上を見てくれ」

私は上を見る。っていうか私のこと呼び捨てえ! 一段と進歩を尽くした私マジ最高!

「八つのわっかが書いてある。俺たちはハジマリさん入れて八人。俺は穴に入るとき七件家が見えたからもしかしたら……」

なんか水晶君が言っていることが分かった気がする。