コメディ・ライト小説(新)

Re: .°*・.夕空〜君の瞳に映るのは〜.・*°. ( No.3 )
日時: 2023/01/02 21:58
名前: KAORI (ID: XWWipvtL)

.°*・.PAGE2.・*°.〜先輩〜





「ーーーじゃあ、春原さんは部活入ってないんだ」

お互いに駅のホームで自己紹介をした後‥
同じ高校だと知り、駅から高校までの通学路を成り行きで一緒に歩くことになった。

あたしの心臓は‥ドクドクと波打っている。

こんな風に、男の子と一緒に登校することなんて今までなかったから変に緊張してしまう。

「まぁ‥‥あたし、バイトもしてるので部活とか入ったら大変かなーって思って‥‥」

先輩にバレないように必死に平静を保ちながら会話を続ける。

「あっ‥そういえば、先輩は何部なんですか?」
「ん?俺は‥新聞部だよ」

ーーー新聞部か‥。なんか意外だな。

キラキラしてる見た目だし、運動部かと勝手に思っていた。

「今年、全然新入生が入ってこなかったから困ってるんだよね。週に2回ぐらいしか活動してないから春原さん、良かったら見学来ない?」

予想外の先輩の言動にあたしはポカンとしてしまう。

「えっ‥あたし、ですか?」
「うん‥一人で入りにくかったら、友達連れてきても良いから‥」

そこで丁度、高校に着いた。

生物準備室で活動していると、言い残して
先輩は自分の学年の下駄箱へと向かっていった。

あたしも1年の‥自分のクラスの下駄箱へと歩を進める。

すると、背中を思いっきり誰かに叩かれる。

「いった!」

そう言って振り返ると。

「みーずきっ!おはよ〜」
「朱莉、声でけーぞ。‥おはよ、瑞稀」

そこには、見知った顔の二人がいた。

親友の香坂朱莉と‥小さい頃から一緒の幼馴染の‥山下綾人がいた。

「‥おはよ、朱莉。綾人」

そう返すと。二人はお互いに顔を見合わせて口を開く。

「瑞稀‥元気ない?」
「具合わりぃのか?」

ーーーあたしって‥そんなに顔に出るタイプなのかな。

「ちっ‥違うよ!元気だよっ」

そう取り繕い、あたしはそそくさと上履きに履き替えて自分の教室へと向かった。

「あっ‥置いてかないでよ、瑞稀〜」

後ろから朱莉の声がするもあたしは、歩く足を止めることなく歩を進める。

ーーー「なんだよ‥瑞稀のやつ」

背中から聞こえた綾人の声は‥あたしの耳には届かず。



ひたすらに、あたしは‥自分の教室へと足早に向かっていったーーーーーー。