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コメディ・ライト小説(新)
- Re: 私が作った雪だるま ( No.1 )
- 日時: 2023/01/03 10:49
- 名前: 夢野 しずく (ID: RBR1FgDi)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13539
私は春野あかりです。
この物語は、ちょっと不思議なお話です。
~数年前~
「ねぇ!勇太!雪だるま作ろうよ~!」
私の友達の松本勇太は、近所の同い年の男の子だ。
「いいけど、雪だるまは溶けちまうぞ?お前、溶けても泣くなよな?」
「はやく作ろうよ!」
私たちは、厚着で外に出た。おばあちゃんは、寒いのが嫌だったので
部屋の中からながめていた。
「ほんま、子供ってもんは、元気じゃわ。」
私たちは雪をたくさん集めた。
「つめたーい!!」当たり前のこと。
私たちが住んでいる町は、よく雪が降る。
数時間後
「できたっ!」
「よっしゃ!」
それは、…子供が作ったような、かわいらしい雪だるま。
あかりは すごいだろーって感じでどや顔。
勇太は、まだまだって感じ。
すると、おばあちゃんが家のまどを開けた。
ガラガラー
「あかりちゃん、勇太くん、飾りをあげるから、こっちおいで。」
そうだ!飾りだ!
私たちは飾りのことを忘れていた。
「おばあちゃんって、ボケないね?すごいよ!」
「何言っとんじゃ?ボケてるにきまってるじゃろ。」
笑いながら言っているおばあちゃんに、飾りをもらった。
ボタン、マフラー、くさったにんじん…
ま、いいよね…
私たちは一つ一つ丁寧に飾りをつけていった。
そして、ようやく完成したのが。ー
雪だるまっ!
「やったじゃん!」
「この世に一つの雪だるまだね!」
チーン チーン
鳴り響く。
チーン チーン
そう、おばあちゃんは、あの世にいってしまった。
わたしはずっと下を向いている。
泣いている。
勇太は……
エッ?むっちゃ泣いてるじゃんっ!!
まぁ、私のおばあちゃんだけど、勇太もお世話になってたし。
お葬式が終わって、家の庭をながめていたら。
ん??
雪だるま……
雪だるまは溶けていた。
もう、あかりは おばあちゃんの涙か、雪だるまの涙か
わからなくなった。
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