コメディ・ライト小説(新)
- 2月の旅鳥 ( No.17 )
- 日時: 2023/01/23 22:27
- 名前: 此雨真狐 (ID: /m6A2I47)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13593
4月30日(土)
「全てにおいて無駄な行為」
いっつも本当に無駄だと思う。
私は今日、土曜日特別特訓で5位になった。席が成績順だから直ぐわかる。
1位は大越さん、2位が石川さん、3位が升本さん、4位が山岸さん、5位が私。そして、6位が沖さんだった。
初めてのトップ5。そして、天才たちは謎なことばかりをするのだった。
一つ目。テスト中のカンニング行為。
前の席の石川さんは理科社会が得意だ。理科社会が苦手科目である私にとって石川さんは憧れだ。
この日、1時間目は理科だった。テスト中、全く分からない。残り時間は...?そう思って時計を見ると、時計と共に信じられないものが映り込んできた。石川さんも手が止まっている。
今回のは苦手科目だったのだろうか。そう思いながらさらに解き進めると、玉田先生が答えを配り出した。残り時間は後10分。私たちは、答えを見ないように気をつけながら引き出しにしまう。と、その後、私は信じられない光景をもう一度見た。
石川さんがカンニングしている。肩に羽織った春物コートが邪魔をしていてよく見えないが、コートから少しはみ出しているそれは確かに答えだった。
このテスト。60点満点中私は34点、石川さんは56点だった。
続く社会も石川さんは答えを見ていた。カンニングは1番無意味だと私は思う。
二つ目。解説中の私語。
3時間目、国語。高山先生の解説中、隣から声が聞こえていた。沖さんが私に話しかけているのだ。そういえば昔、角西先生(塾長)が言っていた。
「沖さんはいっつも隣の人に話しかけていますね。それで持って自分は先生の話を聞いている。」
同期の1人2人蹴落としたってなんの意味もないのでは?これもまた、無意味な行為であった。
三つ目。速攻直しと速攻青丸
「えっと、問いの3はアです。」
これもまた、3時間目の国語の、交換採点の時間。
問いの3、沖さんはエを選んでいた。すかさず私はバツをつける。
「ちょっと貸して。沖さんに回答を貸すと(貸すも何も沖さんのだが...)沖さんは赤ペンでア、と書いて青ペンで丸をつけた。は?と思った。直しは普通、家でゆっくりとやるものではなかったのか?やっぱりこれも無駄なのだ。
四つ目。同じミスで喜ぶ人たち
これは4時間目、算数。私の大っ嫌いな、吉村先生(先生呼びも、本当はしたくない。)の授業だ。
「あ、大問5の(2)、103なんだ、45になった。ってああ!円周率3.14じゃ無いの?ちゃんと読めば解けばできるじゃん!!!」
テストの採点の時間、大越さんが声を出した。そしてすかさず。
「ちとせっち!私も間違えた!」
山岸さんも声を出す。
「私も!」
升本さんも。
「ほんと?よかったぁ〜!」
そして意味もなく喜び合う。それで丸になる訳でもないのに。これが一番無意味なのである。
最前列と2番目に列。ここは全くもって無意味の塊であった。何か学べないか?そう思った自分が馬鹿だった。